ジョナサン・バトラー(Jonathan Butler)、ニュー・アルバムはバート・バカラック集となる『Close To You』
photo by Raj Naik
南アフリカが生んだ、スムース・ソウル・ヴォーカリスト&ギタリスト、ジョナサン・バトラーの、バート・バカラック集。
1961年生まれで、アパルトヘイトによる差別も厳しい時代に生まれたバトラーの音楽には、ゴスペルのような温かみや慈しみといったものと、生命力に満ちた力強さがありますが、本作の演奏も、まぎれもないジョナサン・バトラーらしいアレンジが見られます。
本人の言葉によれば、フィアンセであるナディア・キンバリーにインスパイアされて出来た作品とのこと。ジョナサンとナディアの2 人は、とある夜、家で、名曲「クロース・トゥ・ユー」を歌い、演奏。それがきっかけとなってこの作品への扉が開かれたのだそうです。実は、ジョナサン・バトラー、1975 年、13歳の時に、他でもないバート・バカラックの「Please Stay」をファースト・シングルとしてリリースしているとのこと。曰く、一周してまた元の場所に戻ってきた、とのことですが、本作は、それ以来43 年の時を経ての作品となります。
ディオンヌ・ワーウィックや、ボサ・リオによる歌唱によって、知られる「サンホセへの道」を筆頭に、ブラコン的でリズム感も快活に、色彩感も鮮やかな11 曲。バカラック・ナンバーには、そこはかとない憂い、センチメンタリズムが滲む印象がありますが、ジョナサン・バトラーによってアレンジされた演奏には明るさと、希望といった生命感が宿っています。
作品の原点となった「クロース・トゥ・ユー」はもちろんのこと、「セイ・ア・リトル・プレイヤー」、「アルフィー」など洗練されたスムージーなサウンドが特長。ドライヴのお供にもぴったりです。
【メンバー】
Katisse Buckingham(horns M1-3)、Jodie Butler、Aaron Gutierrez、Antonio Sol(background vocals M2,5,8,9)、Gorden Campbell(ds M1-6,8-11)、Tim Carmon(keys)、Dennis Dodd、Jr.(g、ds programming M6)、George Duke(p M3)、Mike Eiya(ts M5-7,10)、Agape Jerry(g M6)、Dan Lutz(b M1,2,5-11)、Marcus Miller(b M3,4)、Rashawn Ross(horns and arrangement M1,2)、Garrett Smith(tb M5-7,10)、Brigg Sterns(synth keys M6)、Elan Trotman(sax 4)、Jay Williams(ds M7)、Dave Wood(g M1-6,8-11)、Ramon Yslas(perc M1-6,8-11)
掲載: 2018年07月30日 08:52