アクテン&スケルツィ・ムジカーリよるアレッサンドロ・スカルラッティ:室内カンタータ集
[Outhere Muisc 公式チャンネルより]
自身テオルボやバロックハープ、チェンバロやオルガンなどを弾きこなす通奏低音奏者としても活躍しながら、同時にバリトン歌手として自ら歌い伴奏することもある、ニコラ・アクテン率いるベルギーの精鋭古楽集団スケルツィ・ムジカーリ。
これまでにもRicercarで数多く17世紀音楽のアルバムを作ってきましたが、満を持してイタリア後期バロック最大の作曲家のひとりアレッサンドロ・スカルラッティのカンタータと向き合いました。
のちに欧州を席巻することとなるナポリ楽派の立役者的巨匠にして、かの鍵盤音楽の大家ドメニコ・スカルラッティの父でもあるアレッサンドロは生前イタリア随一といってもよい名声を誇りましたが、その躍進の過程で大きな意味を持ったのが室内カンタータ。
恋する者たちの想いを優美な言葉で綴った詩の魅力をたくみに伝える旋律美あざやかな歌の数々は、イタリア半島各地の有力者たちのあいだで大いに求められ、ローマの「アルカディアのアカデミア」(コレッリやボノンチーニも連なった知識人サークル)で披露された名品群を含め数多くの作例が残っています。
本年(2018年)に急逝した同団のリローネ&ガンバ奏者、仙波恵理子氏の思い出に捧げられた本盤において、スケルツィ・ムジカーリは作曲当時のイタリアの演奏習慣にならい充実した通奏低音編成でその演奏に臨み、同時に何挺もの撥弦楽器やバッソ・ダ・ヴィオリーノ(チェロ以前からあった低音弦楽器)を駆使しながら、詩句をよく活かした歌唱で色彩感豊かに作品の魅力を伝えてくれます。
国内仕様盤には訳詩・解説訳付。
(ナクソス・ジャパン)
『アレッサンドロ・スカルラッティ(1660~1725):「心折れる遠さ」~室内カンタータ集』
【曲目】
1-3.カンタータ「恐怖が描き出すものは」
~バリトン独唱、2挺のヴァイオリンと通奏低音のための
4-10.カンタータ「心折れる遠さ」
~ソプラノ独唱、バリトン独唱と通奏低音のための
11-15.カンタータ「星をちりばめた戦車に乗って」
~ソプラノ独唱、2低のヴァイオリンと通奏低音のための
16-21.カンタータ「ブナの木蔭で」
~バリトン独唱、2挺のヴァイオリンと通奏低音のための
22-24.カンタータ「残酷にも、苦い運命に」
~ソプラノ独唱と通奏低音のための
25-29.カンタータ「きみは残る、ああ麗しきぼくの女神」
~バリトン独唱、2挺のヴァイオリンと通奏低音のための
【演奏】
スケルツィ・ムジカーリ(古楽器使用)
[オルトヴィン・ロヴェイク、パトリツィオ・ジェルモーネ…ヴァイオリン
マティルド・ヴォルフス…バロックチェロ、バッソ・ダ・ヴィオリーノ
ソルムン・ニュスタバック、パウル・キーファー…アーチリュート、テオルボ、バロックギター
フィリップ・グリスヴァール …チェンバロ、オルガン
ガナエル・シュナイダー…オルガン]
デボラ・カシェ …ソプラノ独唱
ニコラ・アクテン…テオルボ、ハープ、オルガン、バリトン独唱、総指揮
【録音】
2018年1月21~24日、シント・トライデン(ベルギー)、州立ベギン修道会教会博物館
日本語解説付き
解説日本語訳、補筆、歌詞日本語訳:白沢達生
カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2018年10月22日 00:00