ヴァイオリニスト本田早美花の新作は世界初録音を含むヴァイオリン小品集『Souvenirs~思い出』
旅、人、故郷。さまざまな「思い出」を本田早美花が美しく謳い上げる。
キングインターナショナル制作「たまゆらレーベル」の新譜はヴァイオリン小品集。とはいっても、世界初録音を含む個性的な内容となっています。テーマは大ヴァイオリニストだった作曲者が訪れた地の印象を綴ったものから、幸せだった過去や肉親への思いなど、さまざまな「思い出」集。
注目はヴィエニャフスキの秘曲「サンフランシスコの思い出」。名作「モスクワの思い出」と対を成すものながら、なぜか聴くことのできなかった幻の作品の世界初録音が実現しました。また「チャルダーシュ」で知られるモンティがカムチャッカ半島を描いた珍作も興味津々。もちろん彼はカムチャッカを訪れておらず、想像の世界と思われます。反面ジンバリストが久邇宮朝融王に与えられたメロディに基づいたジャポニスム曲や、クライスラーによるハワイアンな曲は、実際に感じた異国情緒がユニークな作品に昇華されています。加えてブルックナー唯一のヴァイオリン曲「晩鐘」や、「夕焼け小焼け」や「ゆりかごの歌」で知られる草川信の技巧的な小品など、知られざるオリジナル曲も充実。
エルガーの「愛のあいさつ」やマスネの「タイスの瞑想曲」のような定番に加え、ドルドラの「思い出」やラフの「カヴァティーナ」のような往年の人気曲も久々の新録音で登場。ヴァイオリンの美しさにひたれる、陶酔的なひとときを味わえます。
本田早美花はパリ音楽院でジェラール・プーレとオリヴィエ・シャルリエに師事し、同大学院を首席卒業。イセ・カルテットとアンサンブル・モンソロを創設した。2016 年よりフランス国立ストラスブール・フィルのコンサートマスターに就任、ストラスブール市立アカデミー&同音楽院でヴァイオリンと室内楽の教授を務めている。使用楽器は1721 年ピエトロ・ジャコモ・ロジェリ。
ピアノのエマニュエル・クリスチャンはパリ音楽院でジャック・ルヴィエ、ジャン=クロード・ぺヌティエ、アルド・チッコリーニ、パウル・バドゥラ=スコダ、アンヌ・ケフェレック、ルーベン・リフシッツに師事し、同大学院を首席卒業。独奏、伴奏者として活躍するかたわら、アンサンブル・モンソロのピアニストも務めています。
(キングインターナショナル)
『Souvenirs~思い出』
【曲目】
1.エルガー:愛のあいさつ Op.12
2.ヴィエニャフスキ:サンフランシスコの思い出[世界初録音]
3.モンティ:カムチャッカ[世界初録音]
4.ドルドラ:思い出
5.ラヴェル:フォーレの名による子守歌
6.マスネ:タイスの瞑想曲
7.アーン:ロマンス
8.ラフ:カヴァティーナ Op.85の3
9.ジンバリスト:日本民謡による即興曲
10.イザイ:子供の夢 Op.14
11.ブルックナー:晩鐘
12.ラロ:ギター Op.28
13.デュロソワール:子守歌
14.バルトーク(セーケイ編):ルーマニア民俗舞曲
15.リリウオカラニ女王(クライスラー編):アロハ・オエ
16.草川信:ダリヤ[世界初録音]
【演奏】
本田早美花(ヴァイオリン)
エマニュエル・クリスチャン(ピアノ)
【録音】
2017年8月16日、2018年8月7日 キング関口台スタジオ第1スタジオ
カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2018年11月27日 00:00