Children Of Bodom(チルドレン・オブ・ボドム)10枚目のアルバム『ヘックスド』2019年3月8日リリース
フィンランドが生んだギターヒーロー、アレキシ・ライホ率いるチルドレン・オブ・ボドムについて、多くの説明は必要ないだろう。その結成は、93年にまでさかのぼる。97年にデビュー・アルバム『Something Wild』がリリースされると、世界中のメタル・ファンが、彼らの名を口にするようになる。強烈な速弾きギター、そして卓越したメロディ・センスという、およそデス・メタルらしからぬ武器を手にした彼らは、エクストリーム・メタルに革命をもたらしたと言っても過言ではない。『Hatebreeder』(99年)、『Follow the Reaper』(00年)、そしてDeath 'n' roll 路線も見据えた03年の『Hate Crew Deathroll』といったアルバムを、メロディック・デス・メタルというジャンルの頂点とみなす人も少なくないだろう。
そしてこの度、前作『I Worship Chaos』から約3年ぶり、10枚目となるニュー・アルバム、『ヘックスド』が発売となる。「前よりもキャッチーになってるって言われるんだ。確かにパっと聴いた感じはとっつきやすいかもしれないけど、よく聴くとクレイジーなパートもあるよ」とアレキシが語るとおり、キラーチューンであふれる本作は、聴きやすさと音楽的クオリティを両立させた傑作に仕上がっている。つまりはいつも通りのチルボド、彼らのファンならば、ガッカリすることなどありえない作品ということだ。アレキシのギター、そしてヤンネのキーボードが紡ぎ出す極上のメロディの数々、高速ギター・ソロ、そして21世紀以降の彼らが果敢に取り入れてきたグルーヴ。チルドレン・オブ・ボドムのすべてが、このアルバムに詰まっている。冒頭の「ディス・ロード」こそ、彼らのオープニング・ナンバーとしては少々異色だが、それ以降はいつものチルドレン・オブ・ボドム節全開。「70年代のプログレと80年代のポップ・メタルの要素をあわせ持つ」という「アンダー・グラス・アンド・クローヴァー」。ゴシック的な不気味な要素も持ちながらも、「サビは80年代のオジー・オズボーンの曲」みたいな「ヘカテズ・ナイトメア」。「もっと注目を浴びてしかるべき曲」として、04年のEP『Trashed, Lost and Strungout』収録の「ナックルダスター」が再録されているのも興味深い。音楽的に高度でありながら、聴き手を拒絶することがないハイクオリティなナンバーの数々には、アレキシのザ・ローカル・バンド(80年代ハードロックのカバー・バンドで)における活動も影響していることだろう。全体的に、ヤンネのキーボードのアレンジメントに変化が見られる点もポイントだ。また本作は、セカンド・ギタリスト、ダニエル・フレイベルグの初参加作品でもある。
ミックスを手掛けたのは、お馴染みミッコ・カーミラ。98年のシングル『Downfall』から20年に渡り、チルボド作品を手掛けてきたミッコであるから、バンドとは以心伝心。当然最高の音質に仕上がっていることは言うまでもない。
「メロデス・ロックンロール・ランページ」という形容がピッタリの『ヘックスド』。チルドレン・オブ・ボドム、待望の新作は、往年のチルボド・ファン、新しいファン、どちらも納得させる強力な作品である。
日本語解説書封入
【CD収録予定曲】
01. ディス・ロード
02. アンダー・グラス・アンド・クローヴァー
03. グラス・ハウセズ
04. ヘカテズ・ナイトメア
05. キック・イン・ア・スプリーン
06. プラティテューズ・アンド・バレン・ワーズ
07. ヘックスド
08. リラプス (ザ・ネイチャー・オブ・マイ・クライム)
09. セイ・ネヴァー・ルック・バック
10. スーン・ディパーテッド
11. ナックルダスター (再録ヴァージョン)
《ボーナストラック》
12. アイ・ワーシップ・ケイオス (ライヴ)
13. モリガン (ライヴ)
14. ナックルダスター (リミックス)
【メンバー】
アレキシ・ライホ(ヴォーカル、ギター)
ヤンネ・ウィルマン(キーボード)
ヘンカ・ブラックスミス(ベース)
ヤスカ・ラーチカイネン(ドラムス)
ダニエル・フレイベルグ(ギター)
タグ : ハードロック/ヘヴィメタル(HR/HM)
掲載: 2018年12月10日 18:40