オークレールとジョワのステレオ名盤「シューベルト:ヴァイオリンとピアノための作品全集」がLPで復活!
ミシェル・オークレールは1924年11月16日、パリで生まれたヴァイオリニストです。4歳でヴァイオリンを始め、パリ音楽院でヌヴーやボベスコを育成したことで知られる名教師ジュール・ブーシュリに師事。またレオポルド・アウアーの流れを汲むロシア人ボリス・カメンスキーにも師事して、ロシア派の技巧や音楽性も身に付けました。1943年、ナチス・ドイツ占領下のパリで開催された第1回ロン=ティボー・コンクールでヴァイオリン部門優勝(ピアノ部門の優勝はサンソン・フランソワ)。1949年にはアメリカに渡って名教師テオドール&アリス・パシュクス夫妻に師事してヴァイオリン奏法の総仕上げを行いました。
1951年1月、ミュンシュ指揮ボストン交響楽団の演奏会に出演し、チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲を演奏。大成功を収め、その後はジネット・ヌヴー以来の天才女性ヴァイオリニストとして華々しく国際舞台で活躍しました。1956年にはジャクリーヌ・ボノーとデュオ・チームを組み、室内楽にも熱心に取り組み、1962年には、パリ音楽院の室内楽の教授だったジュヌヴィエーヴ・ジョワと新しいデュオを組みました。ところが、左手の故障のため1970年6月27日、ストラスブールでの演奏会を最後に、第一線の演奏活動から退くこととなります。
その後は教育活動に専心し多くのヴァイオリニストを育成しました。1967年にピエール・ドゥーカンとともに母校パリ音楽院の教授となり、1977年には桐朋学園の招きで初来日し、講習会を開いています。1990年にパリ音楽院を辞して名誉教授となり、その後はボストンのニュー・イングランド音楽院で教鞭をとりました。1995年にはフランス政府よりレジオン・ドヌール勲章を授与されました。彼女の門下からはローラン・コルシア、フィリップ・アイシュ(パリ管コンサートマスター)、清水高師、森悠子、伊藤奏子らを輩出しています。そして2005年6月10日、パリで80歳で亡くなりました。
彼女の演奏活動は短い期間でしたが、その激しく情熱的でいて洗練された表現と、多彩な音色の魅力は、その名声に比べて少ない数ではあるものの録音に残され、今なお多くのヴァイオリン・ファンを魅了しています。
このシューベルトのヴァイオリンとピアノのための作品全集は、1962年にジュヌヴィエーヴ・ジョワとデュオを組んで間もなく、フランス・エラートによりステレオ録音されたもので、シューベルトの旋律美と楽曲展開の創造性を、洗練された音色と技巧と瑞瑞しい感性により、鮮烈に、気品高く演じたものとなっています。日本でも1964年2月に発売されて以来、LPやCDで計5度も再発売されて親しまれている名盤です。フランスのオリジナルLPはたいへんな希少盤として知られていますが、今回のオリジナルマスターからの、オリジナル装丁での復活は、多くのヴァイオリン・ファン、LPファンに喜ばれることでしょう。
(タワーレコード 商品本部 板倉重雄)
* 180 gram audiophile vinyl pressed by Pallas GmbH in Germany.
* Mastering from the original master (24 bit/96KHz) of Warner Music
* Vinyl cutting & mastering at SST (Schallplatten Schneid Technik) Studio.
(Mastering and cutting engineer - Daniel Krieger)
ミシェル・オークレール
シューベルト: ヴァイオリンとピアノための作品集 Vol.1
【曲目】
(Side 1)
幻想曲 ハ長調 Op. 159
1. Andante
2. Allegretto
3. Andantino
4. Allegro
(Side 2)
華麗なロンド ロ短調 Op. 70
1. Andante
2. Allegro
ソナチネ第3番 ト長調 Op. 137-3
1. Allegro giusto
2. Andante
3. Menuetto (allegro-vivace)
4. Alllegro moderato
【演奏】
ミシェル・オークレール (ヴァイオリン)
ジュヌヴィーヴ・ジョワ (ピアノ)
【録音】
1962年11月、スタジオ・オシュ(アナログ・ステレオ)
シューベルト: ヴァイオリンとピアノための作品集 Vol. 2
【曲目】
(Side 1)
ソナチネ第2番 イ短調 op. 137-2
1. Allegro moderato
2. Andante
3. Menuetto (allegro)
4. Allegro
二重奏曲(ソナタ)イ長調 op. 162
1. Allegro moderato
(Side 2)
二重奏曲(ソナタ)イ長調 op. 162 (suite)
2. Scherzo (presto)
3. Andantino
4. Allegro vivace
ソナチネ第1番 ニ長調 op. 137-1
1. Allegro molto
2. Andante
3. Allegro vivace
【演奏】
ミシェル・オークレール (ヴァイオリン)
ジュヌヴィーヴ・ジョワ (ピアノ)
【録音】
1962年10月、スタジオ・オシュ(アナログ・ステレオ)
カテゴリ : ニューリリース | タグ : 高音質(クラシック) クラシックLP
掲載: 2019年04月30日 00:00