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ホーネック&ピッツバーグ響によるブルックナー“交響曲第9番”(SACDハイブリッド)

ホーネック

ホーネック&ピッツバーグ響によるブルックナー第9番

長年高音質レーベルとして高い評価を得ているREFERENCE RECORDINGS。そしてREFERENCE RECORDINGS はもちろん、PENTATONE,BIS,など録音に定評のある数々のレーベルの録音を40年以上に渡って担当しているsound mirror 社がタッグを組んだ大好評「ピッツバーグ・ライヴ!」シリーズ。

シリーズ第9弾は、ブルックナー最後の未完の交響曲第9番。ブルックナーは、第8番の第1 稿が完成した1887年に第9番の作曲を開始します。しかし、第8番の大幅な改訂、さらに第3番、第1番の旧作の交響曲の改訂も行い、再び第9番に着手したのが、1891年のこと。第3楽章まで完成させた1894 年の終わりには、ブルックナーの体力はかなり衰え、1896年10月11日に第4楽章を完成させることなく、亡くなってしまいます。最後に完成させた第3楽章アダージョは、ブルックナーも自身が作曲した最も美しい緩徐楽章であると語っている通り、息をのむような美しさがあります。

ホーネックは、ウィーン・フィルでヴィオラ奏者として様々な指揮者と共演していますが、このブルックナーの交響曲第9番をバーンスタインの指揮で演奏したときのことをこう振り返っています。「以前、バーンスタインのスピーチで、“我々芸術家は、経済・政治・名誉とどう関係しているのだろうか? 政治家たちの外交ゲーム、経済学者のつまらない口論、それらでは真実は明らかにならない。結局のところ、芸術家だけが、物事の神秘と真理を調和させることができ、人々の心に神の存在を示し続けることが出来るのだ。” と聞いたことがありました。このブルックナーの第9番を幸運にもバーンスタインのもとで演奏したときに、この言葉の意味が腑に落ちました。」

解説書には、当シリーズの名物ともなっている、ホーネック自身による楽曲解説が掲載。明晰な演奏同様、深い洞察力で楽曲を掘り下げています。そして解説書の最後には、ブルックナーの伝記の作者マックス・アウアーの言葉を引用し、次のように述べています「“このブルックナーの白鳥の歌である第9交響曲は、豊かに構築された冒頭から、大聖堂にさす光に囲まれているように感じます。これは現世の重荷と疲労から解放され死後の世界へと道にかれる気分です。” アウアーがこう述べるように感じられたなら、それは本当に素晴らしい旅立ちとなるでしょう。」

ホーネックの緻密な解釈と音楽への深い理解、ピッツバーグ響と追求してきた音楽のすべてが詰まった演奏。そしてサウンド・ミラー・チームによるオーディオファイルとしても存分に楽しむことのできるアルバムです。
(キングインターナショナル)

【曲目】
ブルックナー:交響曲第9番(1896年未完/ノヴァーク版)
第1楽章:荘重に~とても静かに(25’04)
第2楽章:スケルツォ. 軽く、快活に~トリオ.急速に(10’20)
第3楽章:アダージョ.とても遅く、荘重に(27’46)

【演奏】
マンフレート・ホーネック(指揮)
ピッツバーグ交響楽団

【録音】
2018年2月23-25日
ピッツバーグ、ハインツ・ホール(ライヴ)

プロデューサー&編集:ディルク・ソボトカ(sound mirror)
バランス・エンジニア&マスタリング:マーク・ドナヒュー(sound mirror)