WEEKEND JAZZ ~週末ジャズ名盤探訪 Vol.46
フィニアス・ニューボーン・Jr.『ヒア・イズ・フィニアス』(1956)
フィニアス・ニューボーン・Jr.(p)
オスカー・ペティフォード(b) (tracks 1, 2, 4, 5, 7 & 8)
ケニー・クラーク(ds) (tracks 1, 2, 4, 5, 7 & 8)
カルヴィン・ニューボーン(g) (tracks 1, 2, 5 & 8)
1956年5月3日録音
曲目:
01:バーバドス
02:君はわがすべて
03:モア・アイ・シー・ユー
04:セリア
05:ダーホウド
06:ニューポート・ブルース
07:アイム・ビギニング・トゥ・シー・ザ・ライト
08:アフタヌーン・イン・パリ
【アルバム紹介】
1.セントラルパーク・ジャケ名盤、デビュー作、 フィニアス・ニューボーン・Jr.
2.驚異的なテクニックが圧巻、ジャズ史に残る技巧派の流れを組む素晴らしいプレイヤー
3.ピアノ・トリオ、ギター入りカルテット、そしてソロ・ピアノで聴かせる
フィニアス・ニューボーン・Jr.というピアニストは派手な存在感こそありませんが、聴いてみると驚くほどの驚異的なテクニックを持っており、アート・テイタム、バド・パウエル、オスカー・ピーターソンといったジャズ史に残る技巧派の流れを組む素晴らしいプレイヤーであることがわかります。
本作は初リーダー作であるだけに、そんなフィニアスのピアニズムを存分に堪能できる内容になっています。
選曲は有名スタンダードやチャーリー・パーカー、クリフォード・ブラウン、バド・パウエルといったバップ系スタンダード、デューク・エリントン、ジョン・ルイスの楽曲など、何気にバラエティに富み、1曲オリジナルの“ニューポート・ブルース”も聴きごたえありです。
参加メンバーは、ベースにオスカー・ぺティフォード、ドラムスにはケニー・クラークという名手陣、そこにフィニアスの弟でギタリストのカルヴィン・ニューボーンが参加しており、ピアノ・トリオ、ギターが加わったカルテット、そしてピアノ・ソロといった編成の違えた演奏が楽しめます。
【スタッフのつぶやき:この1曲を必ず聴いて下さい】
技巧派フィニアス・ニューボーン・Jr.を体感“セリア”。
本作に収録の演奏の中でフィニアス・ニューボーン・Jr.が最初から最後まで高速プレイをぶちかますこの曲、元はバド・パウエルのオリジナル。しかし、当の作曲者本人はここまで高速で弾いているわけではありませんので、これはフィニアスの独自の解釈といってもいい快演といえます。時間にすると3分ちょっとの曲ですが、細かな音使いで引っ張ってゆきます。
余談ですが、本作には謎といいますか、素朴な疑問が残る部分があります。
それは4曲に参加している、とされるカルヴィン・ニューボーンのギターはほとんど聴こえない(もしくはいない?)のです。これは、お聴きになる誰もが思うことかもしれません。
SHM-CD国内盤(一般普及盤)
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タグ : WEEKEND JAZZ
掲載: 2019年10月04日 12:00