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Richard Marx(リチャード・マークス)、約6年振りのオリジナル・アルバム『LIMITLESS』

Richard Marx(リチャード・マークス)

シンガー・ソングライター、そしてプロデューサーとして、1980年代後半から数々の大ヒットを世に送り出しているリチャード・マークス。その彼の約6年振りとなるオリジナル・スタジオ・アルバムがリリースとなる。

1987年ソロ・アーティストとしてのデビュー・アルバム『RICHARD MARX』からシングル「Don't Mean Nothing」が全米3位のヒットに。その後セカンド・アルバム『REPEAT OFFENDER』から、「Satisfied」、「Right Here Waiting」の全米No.1ヒットが生まれ、ヒット・メイカーの仲間入りを果たしたリチャード・マークス。1990年代以降はプロデューサーやソングライターとしての活動に重点を置く傍ら、コンスタントにアルバムをリリースしている。

最新作のタイトルは『LIMITLESS』。リチャード自身がプロデュースの一部とソングライティングを手掛け、楽曲の共作者としてサラ・バレリスやリチャードの息子で、同じくシンガー・ソングライターとして活躍するルーカス、そして彼の妻であるデイジー・フエンテスらがフィーチャーされている。「正直、自分のようなアーティストにとって、新しいアルバムを作るということが、どんな意味を持つのか分からなかった」最新作『LIMITLESS』の制作過程について、リチャードそう語る。「ただ分かっていたのは、自分は未だにずっと曲を作り続けていて、手元にはかなり気に入っている曲が溜まっていたってこと。昔は自分の為に曲を作ってレコーディングし、他の人も気にってくれるといいなと願っていた。だから今作では、そのイデオロギーに戻って、音楽スタイルの一貫性に対する懸念などを捨ててみた。そしたら、自分の好きな多彩なアルバムが出来上がったのさ」

アルバムからの先行シングルとなるのは、息子ルーカスと共作した「Another One Down」。全米アダルト・コンテンポラリー・チャートのTOP15入りを果たしたこの曲は、彼の伸びやかなヴォーカルと高揚感あるメロディーがポジティヴなヴァイブスを作り出している。ちなみに、リチャード自身、息子との共作は「楽しい経験」だったと語っている。続けてリリースされたシングル「Let Go」は、彼らしいポップさに今風な要素を加えた、“2020年代のリチャード・マークス”の方向性を感じさせるナンバーだ。こちらの曲は、妻であり、TV司会者やモデルとしても活躍しているデイジー・フエンテと、DJ&プロデューサー、モーガン・ペイジとの共作となる。

2014年の前作『BEAUTIFUL GOODBYE』をリリースし、自身の人生に一つの区切りをつけたとも言えるリチャード・マークス。その後、再婚し、ロサンゼルスの新しい住まいへと落ち着いた彼にとって、新作『LIMITLESS』は新たなスタートの幕開けを飾るに相応しい1枚となるだろう。自分の将来について、ここまで本質的に強く、そして楽観的に思えることはなかった――そう宣言するリチャードによる、明るく、心に響く良質な大人のポップ・ソング、それがこのアルバムには詰まっているのだ。

タグ : SSW シンガーソングライター 80's

掲載: 2020年01月24日 16:24

更新: 2021年08月05日 10:35