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ラルス・フォークトがロイヤル・ノーザン・シンフォニアを弾き振りしたブラームスの“ピアノ協奏曲第2番”

フォークトのブラームス

2019年にリリースされたブラームスの「ピアノ協奏曲第1番」で、ロイヤル・ノーザン・シンフォニアを見事に操り、ピアノと指揮の両面で圧倒的な演奏を聴かせたラルス・フォークト。今作では、更に演奏困難とされる「第2番」でも素晴らしい弾き振りを成し遂げました。
ブラームスのピアノ協奏曲第2番は、1881年の初演以来、数多くのピアニストや評論家たちが「最も難しいピアノ曲の一つ」と数えるほど、雄大な楽想の中に分厚い和音と複雑なパッセージが続出、ピアノ・パートを演奏するだけでも大変な作品です。もちろんオーケストラ・パートも極めて緻密に書かれています。ここでのフォークトは、ピアノもオーケストラも対等に扱い、息もつかせぬ展開を繰り広げる怒涛の音楽を聴かせます。イタリア旅行で得た印象が映し出されているという変幻自在な楽想を持つ第1楽章を難なくこなし、ユニークな味わいを持つ第2楽章での諧謔的な表現を経て、独奏チェロを伴う第3楽章アンダンテでは、チェロをたっぷりと歌わせながら、ゆったりとした美しい旋律を楽しませ、軽やかな旋律で始まる終楽章では密度の高い演奏を聴かせます。
同時収録されているのは「ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ」。バロック時代の巨匠への尊敬の意が込められたこの作品には、ブラームスの巧みな作曲技法が示されており、とりわけフーガでの対位法の扱いが見事です。ベートーヴェンを得意とするフォークトならでは考え抜かれた演奏が作品を引き立てています。
(ナクソス・ジャパン)

【曲目】
ブラームス(1833-1897):ピアノ協奏曲 第2番 他

ピアノ協奏曲 第2番 変ロ長調 Op.83
1.第1楽章:Allegro non troppo
2.第2楽章:Allegro appassionato
3.第3楽章:Andante(独奏チェロ:シュテファン・モリス)
4.第4楽章:Allegretto grazioso

ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ Op.24
5.アリア、第1変奏-第25変奏
6.フーガ

【演奏】
ラルス・フォークト(ピアノ&指揮)
ロイヤル・ノーザン・シンフォニア

【録音】
2019年2月15-16日 Sage Gateshead Concert Hall, UK…1-4
2019年12月17-19日 Kammermusiksaal DLF, Cologne, Germany…5-6

カテゴリ : ニューリリース

掲載: 2020年02月21日 00:00