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渋谷店AON - Adult Oriented NewWave -:POP FREAKS

AON(Adult Oriented NewWave)~大人のための80’sミュージック~という新たな切り口のもとに、ニューウェイヴ世代の音楽を聴き直してみましょう。

Max Eider『キス上手』

元ジャズ・ブッチャーのギタリストによるソロ・デビュー作。アズテック・カメラ好き必聴の大名曲①に始まり、クラブ・ヒッツな②、ポップに弾む④⑥⑨といったアップ・チューンも最高だが、本作のAONとしての魅力は、遠い昔の夕方にどこかから漂ってきたホワイト・シチューの優しく暖かい匂いを想い出す、甘美でジャジーなノスタルジック・チューン③⑤⑧などにある。さらにボートラの未発表曲⑪はモロに50sのDoo-Wopスタイルでキメた逸品。マックスのややヘタウマでまろやかな歌唱と、煌めくようなギター・ワークも素晴らしい。

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Louis Philippe『Passport to the Pogie Mountains』

フランス出身のエレガントなポップ導師にしてエル・レーベルを代表するアーティストの、シングルなど含めた初期のベスト盤ともいえる一枚。ビーチボーイズを筆頭とする60sポップス~ソフト・ロックへの憧憬を、ヨーロッパ的貴族趣味溢れる優雅なサウンドで表出させているのが実にユニーク。エル同僚のキング・オブ・ルクセンブルクと並んで、その摩訶不思議な個性は他に比類がない。フォーシーズンズ調の①、ドリーミーな⑫は超名曲!

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New Musik『フロム・ア・トゥ・ビー』

後にマリ・ウィルソンやネイキッド・アイズ他多くの仕事で名を馳せる、80年代のイギリス、そしていわゆる「エレ・ポップ」時代を代表するプロデューサー=トニー・マンスフィールド自身が率いたグループのデビュー作。YMOの面々(とりわけ高橋幸宏への影響大)も注目していたという、思い切りエレクトロニックなのに不思議なほど人肌のぬくもりを感じさせるサウンドが出色。バブルガム~モダン・ポップの流れを汲んだ、胸がキュンとするほどのグッド・メロディーのオンパレードはエレ・ポップ好きのみならずAONファンの琴線も確実にくすぐるハズ。

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The Lotus Eaters『No Sense Of Sin』

ネオアコ界隈でもひときわロマンティックな佇まいを持つリヴァプールのバンドによる初作。アズテック・カメラやオレンジ・ジュースの音楽にはパンク通過後のアグレッシヴな男性原理めいたものを感じるが、彼らはより中性的というのか、まるで往年の繊細な心象風景を描いた少女漫画(内田善美とか)の雰囲気にも似た透明なリリシズムが特色。ナイーヴな歌唱と流麗なギター、叙情的なキーボードやシンセが織り成す翳りのある(でも暗くはない)メロディーは、キャッチーな①やデビュー・ヒットの⑨を始め、どの曲でもその美しさを存分に発揮している。

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※販売終了※ Candy Opera『45 Revolutions Per Minute』

私的にはここ10年位のリイシュー盤で最も衝撃を受けた出会い。82年から10年ほど活動していたリヴァプールのバンドだが、公式音源を一切残していないので近親者やライブ体験者くらいしか存在を知らなかったと思われる。しかし、信じられないことにこの初出音源集には①②④⑪⑫辺りを筆頭に、プリファブ・スプラウトやペイル・ファウンテンズ、スタイル・カウンシルらと並べても遜色ない楽曲たちが目一杯詰まっているのだ。つまりAONとしても必聴作にして、<過去にはまだまだ誰も知らない凄いお宝が眠っているかも>というロマンを抱かせる稀有な1枚

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渋谷店AONコーナー紹介


80年代のニューウェイヴやポスト・パンクというと、どこか尖ってアナーキーで、それ以前の時代の音楽とは隔絶した若者的サウンドを想像しがちですが、実際のところは大人の鑑賞にも耐え得る素晴らしく良質な音楽の宝庫でもあったわけです。いまこそAON(Adult Oriented NewWave)という新たな切り口のもとに、ニューウェイヴ世代の大人ミュージックを聴き直してみましょう。


担当者/作品レビュー執筆者紹介


渋谷店 洋楽バイヤー: 北爪啓之


1999年、新宿店入社。洋楽フロアで主にリイシュー物やオールディーズ、はじっこの方のロックを担当。2004年に渋谷店に異動後も洋楽バイヤー一筋(邦楽も好きなんですが)。”フリーメタル”、”カフェ・プログレッシヴ”、”シチュー系”など、ほぼ思いつきで新ジャンルを提唱するも残念ながら世間には浸透せず。それゆえ、これまた私の造語である”AON”だけはどうにか皆様に馴染んでいただきたい思い。 ビーチボーイズではマイク・ラブ、はっぴいえんどでは松本隆、放課後ティータイムではムギちゃん派。なおプライベートでは古本屋巡りと酒場巡礼が趣味。好きな作家は谷崎潤一郎、江戸川乱歩、中井英夫、長嶋有など。趣味の合いそうな人、連絡お待ちしております。


掲載: 2020年04月14日 10:00

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