全曲版として世界初録音!デルフス&オーデンセ響~ニールセン“劇音楽《母》”(SACDハイブリッド)
全曲版として世界初録音!ニールセン、幻の名作がヴェールを脱ぐ!
ニールセンによるフルートのレパートリーとして馴染みの深い「霧が晴れていく」、「子供たちが遊んでいる」を含む劇音楽《母》。しかしその全曲の楽譜が出版されたのは2007年のことであり、今回のアルバムで初めてその全貌が現代に明らかにされます。
作曲は1920年。かつてデンマーク王に属したシュレースヴィヒ公国の北部にあたるユトランド半島南部が、第一次世界大戦終結によるドイツ撤退後、国民投票によりデンマーク領に復帰した記念に書かれました。
ヘルゲ・ローデの脚本による物語は、デンマークを表す「母」と、復帰した地域を表す「息子」によるおとぎ話のような内容。ここにニールセンはデンマークの古謡や、大戦に参加した国々の国歌などを引用する美しくも愛国的な曲作りで、20世紀前半のデンマークで最も重要であったとされる出来事に花を添えました。
有名なフルートとハープによる「霧が晴れていく」に代表されるように、室内楽編成の楽曲も多く含みますが、ラストは管弦楽と合唱による壮麗な楽想で結ばれています。
演奏は作曲家の故国デンマークの演奏家たちと、かつてのシュレースヴィヒ公国からドイツに残った地域の出身である指揮者デルフス。歴史の中での大きな和解も感じさせる、意義深いアルバムと言えるでしょう。
(ナクソス・ジャパン)
【曲目】
ニールセン(1865-1931):劇音楽《母》 Op.41
ヘルゲ・ローデ作 プロローグと7場の劇のための音楽
プロローグ
1. No.1 Marsch 行進曲
第1場
2. No.1a Saga drøm 長い戦いの夢
3. No.1b Roselil og hendes moder ロセリルと母
4. No.2 Tågen letter 霧が晴れていく
5. No.3 Melodrama メロドラマ
6. No.3a Tro og Håb spiller 信仰と希望が戯れている
第2場
7. No.4 Vildt går storm mod sorte vande 暗い海で嵐が騒ぐ
第3場
8. No.5 Grammofon vals 蓄音機のワルツ
9. No.6 Min pige er så lys som rav 愛しい娘は輝く琥珀のよう
10. No.7 Ved festen fik en moder bud 祭の日に母親が聞かされたこと
11. No.8 Dengang ørnen var flyveklar 鷲が飛び立つ時が来た
12. No.9 Tidselhøsten tegner godt アザミの群生は明るい行く末を期待する
第4場
13. No.10 Forspil 前奏曲
14. No.11 Så bittert var mit hjerte 私は本当に嫌だったのだ
15. Her vil ties, her vil bies 人生は穏やかに、人生は緩やかに
16. No.12 Børnene leger 子供たちが遊んでいる
第5場
17. No.13 Brudstykker af de krigsførende landes nationalmelodier 戦う国々の国歌18. Der er et yndigt land 美しく愛おしい大地
19. No.14 Søndret folk er vokset sammen 引き離された国家が、また一つに
第6場
20. No.15 Menuet メヌエット
21. No.16 Dengang døden var i vente 彼の最後の言葉
22. No.17 Fanfare musik ファンファーレ
23. No.18 Menuet メヌエット
第7場
24. No.19 Forspil 前奏曲
25. No.20 Ekkosang エコー・ソング
26. No.22 Som en rejselysten flåde この島々が一体になった
※全曲版として世界初録音
【演奏】
アダム・リース(テノール)…吟遊詩人
パレ・クヌーセン(バリトン)…道化師
デンマーク国立ヴォーカル・アンサンブル
フィルハーモニー合唱団…26
オーデンセ交響楽団
アンドレアス・デルフス(指揮)
【録音】
2020年1月27日-2月1日
カール・ニールセン・ホール、オーデンセ・コンサートハウス
カテゴリ : ニューリリース | タグ : 高音質(クラシック) SACDハイブリッド(クラシック)
掲載: 2020年06月02日 00:00