Naxos~2020年7月第2回発売新譜情報(7タイトル)
今回は、バルエコに師事したカン・ユンホンをソリストに迎えたロドリーゴの“アランフェス協奏曲”、ベートーヴェンの知られざる作品を集めた“カノンと音楽の冗談”、ハンガリーの作曲家レオー・ヴェイネルの管弦楽作品全集第3集、ピューリッツァー賞とグラミー賞を受賞したアメリカの作曲家クリストファー・ラウズの“交響曲第5番”など世界初録音を含むCD7タイトルがリリースされます。
ロドリーゴ: アランフエス協奏曲、ポンセ: 南の協奏曲、ほか
カン・ユンホン(ギター)、ダレル・アン(指揮)チェコ室内管弦楽団パルドビツェ
2011年の「タイ国際ギター・コンクール」において僅か11歳で優勝、現在は巨匠マヌエル・バルエコに師事し研鑽を重ねる中国出身のカン・ユンホンをソリストに迎えたギター協奏曲集。誰もが知っているロドリーゴの「アランフエス協奏曲」、メキシコ生まれの国際的作曲家ポンセの「南の協奏曲」に加え、ユンホンに捧げられたジェラルド・ガルシアの「チャイナ・シングス」の3曲を収録しています。
「チャイナ・シングス」は、中国で人気の2つの曲を元にした抒情的な雰囲気を持つ作品で、トレモロを多用した中国琵琶風の美しい音色をお楽しみいただけます。
バックを務めるのは、第50回ブザンソン国際指揮者コンクールの優勝者、ダレル・アン。チェコのオーケストラからそれぞれの曲に相応しい色彩的なサウンドを引き出す手腕が光ります。
(ナクソス・ジャパン)
ベートーヴェン(1770-1827):カノンと音楽の冗談
アンサンブル・タマニアル、カントゥス・ノヴス・ウィーン、ほか
ベートーヴェンの数多い作品の中で「最も知られていない」分野と言えるのが、このアルバムに収録された一連のカノンや機知に富んだ声楽アンサンブルでしょう。50曲以上もあるこれらの短い曲の中には、1816年、フンメルのために書いた2部構成のカノンや、居酒屋で作曲されたリヒノフスキー伯爵のための4声のカノン「親愛なる伯爵殿、あなたはお人よしだ」、1825年にクーラウと出会った時に書いた「Kühl, nicht lau 涼しく、暑すぎず(クーラウの名前が織り込まれている)」など、様々な機会に書かれたものが含まれています。
これらの曲は一般的には厳めしいと思われがちなベートーヴェンのイメージとは異なり、どれもが微笑ましく、親密な雰囲気を感じさせます。対位法を学んでいた初期の頃から晩年まで、ベートーヴェンの知られざる一面を聴くことができるアルバムです。
(ナクソス・ジャパン)
レオー・ヴェイネル(1885-1960):管弦楽作品全集 第3集
ヴァレリア・チャーニ(指揮)MAVブダペスト交響楽団、ほか
バルトークやコダーイと同時期に活躍したハンガリーの作曲家、教師レオー・ヴェイネル(1885-1960)の管弦楽作品全集の第3集。完璧主義者であった彼は、生涯で30曲ほどの作品を発表したのみで、そのほとんどは忘れられていましたが、最近になってドイツ・ロマン派とハンガリーの民族要素を融合したユニークな作風が広く認識されるようになりました。
この第3集にはヴェイネル円熟期に書かれた5作品が収録されています。活動の初期には、自作にハンガリーの民俗音楽を積極的に採り入れることはせず、ロマンティックな作風を模索していたヴェイネルですが、1930年に彼の友人ラースロー・ライタからハンガリーの民族音楽を紹介されてからは路線を変更、当時多数採集されたハンガリー民謡を自作に反映させ、次々とユニークな作品を書き上げました。なかでも舞曲のリズムが際立つ「2つのディヴェルティメント」はヴェイネルの代表的な作品として知られています。
(ナクソス・ジャパン)
クリストファー・ラウズ(1949-2019):交響曲第5番、ほか
ジャンカルロ・ゲレーロ(指揮)ナッシュヴィル交響楽団
ピューリッツァー賞とグラミー賞を受賞したアメリカの作曲家、クリストファー・ラウズ(1949-2019)。1949年ボルティモアに生まれ、様々なジャンルの音楽を身につけたラウズについて、ニューヨーク・タイムズ紙は「周囲の記憶に最も残る音楽を書く人」と紹介しました。その作品はウィット、ジョーク、神聖なもの、ロックなど、たくさんの要素で構成されています。
このアルバムには2015年に書かれた「交響曲第5番」を含む3作品を収録。「交響曲第5番」は彼が幼いころに聴いて衝撃を受けたベートーヴェンの第5交響曲にインスパイアされた作品です。ブルックナーやマーラーの緩徐楽章を思わせるゆったりとした「サプリカ」、オーケストラの奏者たちそれぞれに見せ場を持たせた「管弦楽のための協奏曲」など、どれもがラウズの個性が生かされた聴きごたえのある作品です。
(ナクソス・ジャパン)
フェルディナンド・レバイ(1880-1953):ヴァイオリンとギターのためのソナタ集、ヴィオラとギターのためのソナタ集
ロロンス・カヤレイ(ヴァイオリン、ヴィオラ)、マイケル・コーク(ギター)
フェルディナンド・レバイ(1880-1953)はウィーン生まれの作曲家。10歳の時にハイリゲン・クロイツ修道院に入り、5年間に渡り歌手になるための音楽教育を受けました。その後はヨーゼフ・ホフマンのピアノ教室に参加、ウィーン音楽院でローベルト・フックスに作曲を学び「ブラームス賞」など多くの賞を受賞しています。音楽院を卒業してからは作曲家として活躍を始め、オペラ、交響曲、協奏曲、歌曲など、600曲に渡る作品を書き上げました。レバイはことのほかギターの音色に愛着を持っていたようで、歌曲の伴奏にも、ピアノだけではなくギターを用いることが多かったようです。
このアルバムにはギターを伴奏に用いたレバイのヴァイオリンとヴィオラのためのソナタを全て収録。民謡を効果的に用いた旋律を、カヤレイとコークが情感豊かに演奏しています。
(ナクソス・ジャパン)
カミッロ・トーニ(1922-1993):ピアノ作品全集 第5集
アルド・オルヴィエート(ピアノ)
生涯に渡ってピアノを愛したイタリアの作曲家、カミッロ・トーニ(1922-1993)のピアノ曲全集第5集。シリーズの完結となる今回は、カセッラに作曲を学び、実験的な音楽を創り上げた彼の初期作品を中心に収録しています。13歳の時に書かれた「即興曲」「練習曲 変ニ長調」はショパンやリストを彷彿させますが、その2年後に作曲された「ピアノのための小品」では、すでに調性から脱した、トーニらしいユニークな作風が見られます。最後に置かれたモーツァルトのピアノ協奏曲のための2つのカデンツァは、彼の師であるベネデッティ・ミケランジェリへの賞賛が込められたもの。ここではトーニの作風の変遷を感じ取ることができます。1949年の「第25番のためのカデンツァ」は、モーツァルトの旋律が自由に展開していくのに比べ、1990年の「第24番のためのカデンツァ」ではモーツァルトらしさはほとんど感じられず、自由な旋律のみが溢れています。シリーズを通じてアルド・オルヴィエートが全作品を演奏しています。
(ナクソス・ジャパン)
イアン・クルーズ(1956-):夜想曲集、祈り
ジェシカ・リヴェラ(ソプラノ)、ウラディーミル・チェルノフ(バリトン)、ほか
Gramophone誌で「現代作曲家の中で最もコニュニケーション能力があり、また興味がそそられる一人」と評されたイアン・クルーズ(1956-)の作品集。
アルバムに収録され「夜想曲集」は、2010年に彼が日本に滞在した際に書かれたもの。弦楽五重奏とバリトンのためのこの歌曲集には、20世紀初頭に活躍したアルメニアの詩人による4つの詩が用いられており、ベートーヴェンの「月光ソナタ」やシューベルトの「影法師」から引用された旋律を効果的に配することで、一人の男と"光"の関わりを丹念に描いています。
「祈り」は英語、スペイン語、日本語、中国語の4言語をテキストに用いた歌曲集。"無形の愛"を探求するという願望から生まれたこの曲集は、ほとんどが無調で書かれており、捉えどころのない旋律から幻想性が香り立ちます。
(ナクソス・ジャパン)
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カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2020年06月17日 00:00