Paul McCartney(ポール・マッカートニー)|新作アルバム『マッカートニーⅢ』発売
Photo by Mary McCartney
2020年はポール・マッカートニーが自身の名を冠したソロ・アルバムをリリースしてから50周年にあたる。このソロ・アルバムは、ポールが一人で書き、一人ですべての楽器を演奏してレコーディングしたアルバムである。
ポールは2020年にアルバムの発売を予定していなかった。しかし、”Rockdown”[訳注:封鎖という意味のlockdownをロックのRockと掛けてロックが出来ないという意味で使っている]中の隔離状態中に、彼は既に出来ていた音楽的な草案を整理して、新たな音楽を作り始めた。すぐに幅広いジャンルの音楽が『マッカートニーIII』として出来上がった。『マッカートニー』、そして『マッカートニーII』の伝統に則り、文字通りのソロ作業で作られたセルフ・プロデュースの素朴な作品群が新たな10年の幕開けの年を飾ることになる。サセックス州で今年の初めにレコーディングされた『マッカートニーIII』は、そのほとんどでポールがギター、もしくはピアノを弾きながら生で歌っているものを収録し、その録音の上にベースやドラムを後からダビングしている。
収録されている楽曲にはポールのルード・スタジオで使われた楽器の音が聞くことができ、一番古いものでは、1971年のウイングスでのセッションで使用された楽器も含まれる。それら、ヴィンテージ楽器のラインナップも、それぞれに歴史的な背景があるものばかりだ。エルヴィス・プレスリーのオリジナル・トリオのメンバーだったビル・ブラックのダブル・ベース、ポールの有名なヘフナーのヴァイオリン・ベース、ザ・ビートルズのレコーディングでも使用したアビイ・ロード・スタジオのメロトロンなどはそのほんの一例。
『マッカートニー』と『マッカートニーII』のどちらのアルバムも、ポールが新たな10年間を前にして個人的そして音楽的な面で改革を成し遂げたことを表すアルバムとなった。1970年に発売された『マッカートニー』は、直前に起こった音楽業界最大のバンドの解散を踏まえてポールの基本に戻った姿勢が明らかになった。そして80年の前衛的な名作『マッカートニーII』では、ウイングスの残骸の中から蘇った姿を見ることができた。『マッカートニーIII』では、ポールは再び一人に戻り、この予期しない状況を、時代に翻弄されないアーティストの長い歴史の中のユニークな一面という形の個人的なスナップショットに変えている。
■作詞/作曲/プロデュース:ポール・マッカートニー
■カヴァーロゴ:エド・ルシェ
■メアリー・マッカートニー、ソニー・マッカートニー、ポール自身の写真(家族ぐるみ)の写真をフィーチャーしたソフトバック仕様
■16ページのブックレット
■メイド・イン“Rockdown”
<日本盤のみ>解説・歌詞対訳付
国内盤スペシャル・エディションCD
ボーナス・トラック 4曲収録
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