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江藤俊哉&シドニー・フォスター/ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ全集1962年ライヴ!

江藤俊哉

若きの巨匠が、幻の名手と連続演奏した情熱、58年を経て鮮やかに蘇る

昭和37年5月に、東京の九段会館ホールで3夜にわたりベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ全曲の連続演奏会が行なわれました。当時35歳の江藤俊哉と45歳のアメリカ人ピアニスト、シドニー・フォスターによる演奏で、日本音楽界にとりベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ全曲が連続で演奏されたのは戦前のゴールドベルク&リリー・クラウス以来二度目の快挙でした。その幻の録音が江藤、フォスター両ご遺族のご厚意により日の目を見ました。
江藤俊哉は鈴木鎮一、アレクサンドル・モギレフスキーに学んだ後、アメリカのカーティス音楽院でエフレム・ジンバリストに師事。帰国後は演奏活動のかたわら後進の指導にも熱心に取り組み、現在日本のヴァイオリン界で活躍する多くの逸材を育てました。
教育者としての業績にくらべ録音は決して多いとはいえず、ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ全集もこれまで存在していませんでした。それゆえ最盛期の全集登場は奇跡と申せましょう。江藤俊哉ならではの美しい音色と生気あふれる演奏を満喫できます。
さらに嬉しいのが、ピアノを幻の名手シドニー・フォスター(1917-1977)が受持っていること。ヨゼフ・ホフマンに見出され、ゴドフスキの娘婿デヴィッド・セパートンに学び、1941年に行なわれた第1回レーヴェントリット国際コンクール優勝という輝かしい経歴を持ちながら、病気のため演奏、録音ともに極めて少ない人です。彼の演奏でベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ全曲が残っていたのもまさに奇跡。19世紀の巨匠たちを彷彿させる生気あふれる演奏に驚かされます。
(キングインターナショナル)

【曲目】
ベートーヴェン:
[Disc1]
(1)ヴァイオリン・ソナタ第1番ニ長調Op.12の1
(2)ヴァイオリン・ソナタ第2番イ長調Op.12の2
(3)ヴァイオリン・ソナタ第3番変ホ長調Op.12の3
(4)ヴァイオリン・ソナタ第4番イ短調Op.23

[Disc2]
(5)ヴァイオリン・ソナタ第5番ヘ長調Op.24「春」
(6)ヴァイオリン・ソナタ第6番イ長調Op.30の1
(7)ヴァイオリン・ソナタ第7番ハ短調Op.30の2

[Disc3]
(8)ヴァイオリン・ソナタ第8番ト長調Op.30の3
(9)ヴァイオリン・ソナタ第9番イ長調Op.47「クロイツェル」
(10)ヴァイオリン・ソナタ第10番ト長調Op.96

【演奏】
江藤俊哉(ヴァイオリン)
シドニー・フォスター(ピアノ)

【録音】
1962年5月10日(Disc1)、11日(Disc2)、12日(Disc3)
九段会館ホール
(モノラル・ライヴ)

カテゴリ : ニューリリース | タグ : BEETHOVEN 2020 ボックスセット(クラシック)

掲載: 2020年11月18日 00:00