Weezer(ウィーザー)|ゴージャスなオーケストラ・サウンドと美しいメロディがテクニカラーのポップ・ロックを紡ぎだすパワー・ポップの新たな到達点!通算14枚目となる最新作『OK HUMAN』
もはや説明不要。カリフォルニア州ロサンゼルス出身、1994年のデビューから現在に至るまで、米国では1000万枚以上、そして全世界では3500万枚以上に達するアルバム売上枚数を誇るマルチ・プラチナ認定の泣く子も歌うロック・バンド、ウィーザー。2019年、『WEEZER(BLACK ALBUM)』、そして80’sナンバーを中心としたカヴァー・アルバム『WEEZER(TEAL ALBUM)』の2作を立て続けにリリースした彼らは、その止まることのない創作意欲に突き動かされるまま、2020年、HR/HMへのラヴ&リスペクトが怒涛のハード・ポップ・サウンドに昇華させたニュー・アルバム『VAN WEEZER』を完成させ、グリーン・デイとフォール・アウト・ボーイとのツアーに意気揚々と出る予定だった。
しかし順調満帆に進むはずだった2020年は、新型コロナウイルスの感染拡大という誰もが予想だにしなかった事態に見舞われ、さすがのWEEZERも計画を変更せざるを得なくなる。だが、世界的パンデミックも彼らの動きを止めることはなかった。全米の各都市がロックダウンとなり、様々な活動が制限されるなか、何と何と、彼らは全く別のアルバムを完成させた!
出来上がったアルバムは、HR/HMにインスパイアされた『VAN WEEZER』とは趣が大分異なるビーチ・ボーイズの『ペット・サウンズ』を彷彿とさせるような、ゴージャスなオーケストラ・サウンドと美しいメロディがテクニカラーのポップ・ロックを紡ぎだす作品となった。『OK HUMAN』というアルバム・タイトルは、レディオヘッドの『OK COMPUTER』へのオマージュかと思われるかも知れないが、サウンドは全く異なる。本作はリヴァースの日常を所々にのぞかせつつ、簡単に顔を見せ合うことはできても、互いに物理的な距離を取らざるを得ない昨今の状況で我々人間が、過剰だったり、また不十分な形で繋がっているのかを考えさせられる、テクニカラーのシンフォニックな騒乱なのだ。ファースト・シングルは「All My Favorite Songs」。これを聴けば、WEEZERが目指す音世界が分かるだろう。
『OK HUMAN』 はまた、リヴァースがこの10年作ってきた作品の中でも、最高の出来で、とびっきりパーソナルな楽曲が目一杯詰ったアルバムでもある。収録されている楽曲はどれも、プロデューサーのジェイク・シンクレアとアレンジャーのロブ・マテスによるストリングスとホーン・アレンジメントによってキラキラと明るく、力強く輝いている。90年代のオルタナティヴ・ロック・シーンから飛び出し、パワー・ポップ・ブームを牽引してきたバンドが、人類が初めて体験する世界的危機を経て辿り着いた、オーケストラ・ポップ・アルバムという到達点。これまでのWEEZERとは全く違う、でもどこを聴いてもWEEZERな、愛すべきメロディが溢れ出る、正直控えめに言っても大傑作なアルバム、それが『OK HUMAN』!
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輸入盤LP
■収録曲
01. All My Favorite Songs
02. Aloo Gobi
03. Grapes Of Wrath
04. Numbers
05. Playing My Piano
06. Mirror Image
07. Screens
08. Bird With A Broken Wing
09. Dead Roses
10. Everything Happens For A Reason
11. Here Comes The Rain
12. La Brea Tar Pits
タグ : UK/US INDIE
掲載: 2021年01月22日 12:00