オルガ・パシチェンコ&イル・ガルデリーノ~モーツァルト:ピアノ協奏曲第9番“ジュノム”&第17番
[Alpha Classics 公式チャンネルより]
ピアニズムと歴史検証の重なるところ。パシチェンコ、満を持してのモーツァルト協奏曲録音
モーツァルトが知っていた当時のピアノ(フォルテピアノ)を、当時流儀の古楽器を使ったオーケストラと弾いてこそ、彼が企図したとおりの作品像に近づける……そうした考え方のもとで録音される機会も少なくないモーツァルトのピアノ協奏曲の数々。
今や単に「古楽器で弾いた」というだけでは注目されにくいとすれば、オルガ・パシチェンコとイル・ガルデリーノの演奏は、その解釈の確かさと卓越した演奏クオリティ、どちらにおいても出色の仕上がりとなっており、古楽に実績ありのAlphaレーベルが、この競合盤多き演目であえて今、新たな録音を世に問うたのも頷ける内容です。
古楽活況の地オランダやベルギーを活動拠点にしているロシア出身の才人パシチェンコの師は、ゲンリヒ・ネイガウスの系譜を汲むロシア・ピアニズムを出発点に、現代音楽から古楽まで幅広いフィールドで活躍してきた名匠アレクセイ・リュビモフ。
パシチェンコがその指導のもと培った、歴史的検証と音楽性のどちらでも強い探究心を発揮してきた成果が、満を持してこの録音に結実しています。
細部に至るまでタッチの妙が際立つ緩徐楽章、スリリングな推進力と確たる音楽展開が同居するアレグロ……AccentやPassacailleに名盤の多いイル・ガルデリーノは、ヘレヴェッヘやミンコフスキ、ピエルロら古楽器演奏の立役者たちの楽団で実績を積んできたバロック・オーボエの名手マルセル・ポンセールが、多忙なトラヴェルソ奏者兼プロデューサーのヤン・デ・ヴィンネと共同主宰する俊才集団(ヴァイオリンに中丸まどか、近藤倫代らが参加)。管楽器の痛快な活躍といい、弦楽器の巧みなチームワークといい、まさに絶好調と言えるでしょう。
欧州古楽シーンの最前線から届いたAlphaならではのモーツァルト録音、見逃せません!
(ナクソス・ジャパン)
【曲目】
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756-1791):
1-3. ピアノ協奏曲 第9番 変ホ長調 K. 271「ジュノム」
4-6. ピアノ協奏曲 第17番 ト長調 K. 453
【演奏】
オルガ・パシチェンコ(フォルテピアノ)
使用楽器:
J.A.シュタイン1788年製作モデルに基づく再現楽器(製作: ポール・マクナルティ) …1-3
アントン・ヴァルター1792年頃製作のオリジナル楽器 …4-6
イル・ガルデリーノ(古楽器使用)
主宰: ヤン・デ・ヴィンネ(フラウト・トラヴェルソ)/マルセル・ポンセール(オーボエ)
【録音】
2020年10月、アウグスティヌス音楽センター(AMUZ)、アントウェルペン、ベルギー
[日本語解説付き]
カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2021年05月11日 00:00