Brad Mehldau(ブラッド・メルドー)|オルフェウス室内管弦楽団とのコラボレーション作品『Variations On A Melancholy Theme』
新世紀を代表するジャズ・ピアニストとして、ジャンルを越えて、多くのアーティスト、ミュージシャンからも賞賛を浴びる鬼才ブラッド・メルドー。2020年、ロックダウン中に制作したという『SUITE: APRIL2020』をリリースした彼だが、それ以来となるアルバムをリリースする。
今回リリースされる『Variations On A Melancholy Theme』は、1972年に結成され、世界的に活躍しているオルフェウス室内管弦楽団とのコラボレーション作品である。この曲は、ブラッド・メルドーがロシア出身のピアニスト、キリル・ゲルシュタインのために作曲したものだが、本作でメルドーはオルフェウス室内管弦楽団とともに、オーケストラ・ヴァージョンを新たにレコーディングした。アルバムには、主題(テーマ/Theme)と11の変奏曲(ヴァリエーション/variation)、カデンツァと後奏曲(ポストリュード/postlude)が収録されている他、”アンコール“として、「Variations X」と「Variation Y」の2曲も追加されている。
メルドーとオルフェウス室内管弦楽団は、この作品とともにアメリカ、ヨーロッパ、そしてロシアをツアーし、2013年にはカーネギー・ホールでもパフォーマンスを行っている。メルドーが奏でるジャズのハーモニーとクラシック楽曲の構成が組み合わさったこの作品について彼は「もしブラームスが憂鬱な気分で目が覚めたらと考えてみたんだ」と語っている。また彼はこうも続ける。「この作品の主題(テーマ)には、どこか物思いに沈んでいるような、諦めの気持ちにも似たような雰囲気がある。最初に聞いたときから終局的な、最後を思わせるものがあったんだ。作曲を進めていくうちに、作品として新たな挑戦が生まれた:結論から始まるストーリーをどう組み立てていくかというね。主題がメランコリーを想起させる一方で、私はそれを出発点として、楽しい、荒々しい、激烈で向こう見ずな感情を変奏曲のなかで発展させていった」
現代ジャズ・シーンで人気・実力ともにNo.1ピアニストとして広く支持を集める一方、その音楽的探究心で新たな領域を切り開いているブラッド・メルドー。ジャズとクラシックの新たな融点を見出した彼の最新作、それが『Variations On A Melancholy Theme』である。
収録曲: 01. Theme 02. Variation 1 03. Variation 2 04. Variation 3 05. Variation 4 06. Variation 5 07. Variation 6 08. Variation 7 09. Variation 8 10. Variation 9 11. Variation 10 12. Variation 11 13. Cadenza 14. Postlude 15. Encore: Variations ""X"" & ""Y""
掲載: 2021年05月18日 14:53