Brad Mehldau(ブラッド・メルドー)|現代ジャズ・ピアノの重鎮によるザ・ビートルズのカヴァーアルバム『Your Mother Should Know: Brad Mehldau Plays The Beatles』
「ザ・ビートルズには、議論の余地のない普遍性というものがある。彼らの音楽は文化や世代を超え、常に新しいリスナーを獲得し続けているのだ。彼らの曲には、誰もが引き込まれるような即効性と誠実さが存在している」 ─ ブラッド・メルドー
新世紀を代表するジャズ・ピアニストとして、ジャンルを越えて、多くのアーティスト、ミュージシャンからも賞賛を浴びる鬼才ブラッド・メルドー。2021年にグラミー賞を受賞したこともあるオルフェウス室内管弦楽団とのコラボレーション作品『VARIATIONS ON A MELANCHOLY THEME』をリリースし、2022年3月にはプログレッシヴ・ロックから受けた音楽的インスピレーションと深い思索から生まれた作品『JACOB'S LADDER』を発表した彼が、早くも新たなるアルバムを完成させた。
今回彼が発表する作品は、ジョン・レノンとポール・マッカートニーの楽曲やジョージ・ハリスンの楽曲に現代の鬼才である彼が新解釈を加えて披露する、2020年9月にフィルハーモニー・ド・パリでのソロ・ライヴの模様を収録したザ・ビートルズのカヴァー・アルバム『YOUR MOTHER SHOULD KNOW: BRAD MEHLDAU PLAYS THE BEATLES』だ。
彼は今までもザ・ビートルズの曲をライヴで披露してきたのだが、今回発表するこの最新作に収録されている楽曲は、全て今までレコーディングされてこなかった、公式音源としては初出となるパフォーマンスばかりだ。また、今作の最後にはデヴィッド・ボウイの名曲「Life on Mars?」のカヴァーも収録されており、ザ・ビートルズとその後のポップソング・ライターたちとの繋がりをメルドー流に表現した見事な構成となっている。
ブラッド・メルドーは、今作の発売にあたり、こうコメントしている。 「私が楽器を始めた当初は、まだザ・ビートルズのことはそれほど気にしていなかった。しかし、私が耳にしてきた時代を超えたピアノ・ポップ・ソングの多くは、彼らを源流として生まれたものだったのだ。その音楽性は知らず知らずに私の個性の一部となり、後にザ・ビートルズのことを知った時、すべてが一つに結びついた。彼らが発表した音楽、そして他のアーティストに与えてきた幅広い影響は、私の活動に影響を与え続けている、と言える」
彼はさらにこう続けている。 「ハロルド・ブルームが書いた『The Western Canon』という本の中で、著者は何が特定の本を長続きさせるのか、という問いに立ち向かっている。その答えは多くの場合、奇妙さとでもいうべき、同化できないほどのオリジナリティ、あるいは同化しすぎて奇妙だと思わなくなるようなオリジナリティの様式である、ということが挙げられている。ザ・ビートルズと、彼らの作品やその別の側面から影響を受けた多数のアーティストたちを見ると、この逆説的な長寿の秘訣は、彼らの継続的な足跡を考える際の一つの方法だということが言える。特に『ラバー・ソウル』から始まり最後の作品となった『レット・イット・ビー』までの一連の革命的アルバムには、多くの奇妙さというものが実際に存在しているからね。
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収録曲: 01. I Am The Walrus 02. Your Mother Should Know 03. I Saw Her Standing There 04. For No One 05. Baby's In Black 06. She Said, She Said 07. Here, There And Everywhere 08. If I Needed Someone 09. Maxwell's Silver Hammer 10. Golden Slumbers 11. Life On Mars?