ヤアラ・タールの新録音はJ.S.バッハの“平均律クラヴィーア曲集”の10曲の前奏曲と、10人の作曲家によるフーガを組み合わせた『トレーシング・バッハ』
バッハの「平均律クラヴィーア曲集」の10曲の前奏曲と、古典派から現代にいたる10人の作曲家によるフーガを組み合わせた、新たな「前奏曲とフーガ」の世界。
バッハが生きていた間でさえ、「平均律クラヴィーア曲集」はバッハの教え子の間で、そして愛好家の間でも伝説的な評判を享受しました、そしてそれは今日まで変わっていません。すべての調性の長調と短調にまたがる2部構成の「24の前奏曲とフーガ」は、ほぼ300年前に作曲されましたが、その構成と表現の豊富な宝石には今でも驚かされる作品です。
18世紀、19世紀、20世紀にこの宇宙から発せられた途方もない輝きは、ピアニストのヤアラ・タールによるこのソロアルバムで示されています。 彼女は、250年の音楽史を通じて、様々な作曲家による10曲のフーガ作品を選び出し、平均律クラヴィーア曲集の10曲の前奏曲と組み合わせています。
選ばれたのは、ヴィルヘルム・フリーデマン・バッハ(1710-1784)、ロベルト・シューマン(1810-1856)、フレデリック・ショパン(1810-1849)、ヨハン・ネポムク・フンメル(1778-1837)、フランスの兄弟シャルル・ヴァランタン・アルカン(1813-1888)&ナポレオン・アルカン(1826-1906)、ロシアの作曲家アントン・アレンスキー(1861-1910)、現代の作曲家ラインハルト・フェーベル(1952-)という、幅広い時代の作曲家によるフーガ的作品。それらは、バッハによる原曲のフーガと同じくらい多様で、バッハの前奏曲と絶妙なコントラストを成しています。
「バッハの前奏曲が、後世の作曲家によるフーガと組み合わされることで、その新しい時代の感覚になり、オリジナルの前奏曲と互いに補完し合あって、新しく独創的な音楽の接点が生まれるのです」と、ヤアラ・タールは説明します。
ここには4曲の世界初録音曲が含まれていますが、ラインハルト・フェーベルによる「時は飛ぶ」は、この録音のために作曲されています。
(ソニーミュージック)
『トレーシング・バッハ』
【曲目】
1. J.S.バッハ:平均律クラヴィーア曲集第2巻~前奏曲 ト短調 BWV 885
2. ルイ・フェルディナント・フォン・プロイセン:ピアノのための4声のフーガ ト短調Op.7
3. J.S.バッハ:平均律クラヴィーア曲集第2巻~前奏曲 ハ短調 BWV 871
4. ヴィルヘルム・フリーデマン・バッハ:フーガ ハ短調 Fk.32
5. J.S.バッハ:平均律クラヴィーア曲集第2巻~前奏曲 嬰ヘ短調 BWV 883
6. ヨハン・ネポムク・フンメル:フーガ 嬰ヘ短調 Op.7-3
7. J.S.バッハ:平均律クラヴィーア曲集第1巻~前奏曲 ホ短調 BWV 855(Part1)
8. シャルル・ヴァランタン・アルカン:泣いているジャン ホ短調*
9. J.S.バッハ:平均律クラヴィーア曲集第1巻~前奏曲 ホ短調 BWV 855(Part2)
10. J.S.バッハ:平均律クラヴィーア曲集第1巻~前奏曲 イ短調 BWV 865
11. フレデリック・ショパン:フーガ イ短調 B.144
12. J.S.バッハ:平均律クラヴィーア曲集第2巻~前奏曲 ニ短調 BWV 875
13. ロベルト・シューマン:4つのフーガ ~ フーガ ニ短調 Op.72-1
14. ナポレオン・アルカン:マイアベーアの「預言者」の2つのモチーフによる練習的フーガ ト短調 序章付き*
15. J.S.バッハ:平均律クラヴィーア曲集第1巻~前奏曲 ニ短調 BWV 851
16. アントン・アレンスキー:フーガ ニ短調
17. J.S.バッハ:平均律クラヴィーア曲集第1巻~前奏曲 変ホ短調 BWV 853
18. リオネル・ファイニンガー:フーガ 変ホ短調*
19. J.S.バッハ:イギリス組曲第6番 ニ短調BWV 811 ~ ガヴォットI&II
20. ラインハルト・フェーベル:時は飛ぶ ~ フーガ ニ短調*
(*印は、世界初録音)
【演奏】
ヤアラ・タール(ピアノ)
【録音】
2021年2月10-11日、3月3日、ミュンヘン、バイエルン放送第2スタジオ
カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2021年07月14日 00:00