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ヤアラ・タールのコンセプト・アルバム『1923』~100年前のヨーロッパにおけるピアノ音楽の多様性を開示

ヤアラ・タール

100年前のヨーロッパにおけるピアノ音楽の多様性を開示するヤアラ・タールのコンセプト・アルバム登場。

今からちょうど100年前の1923年の音楽界は、驚くほど複雑な様相を呈していました:シェーンベルクがウィーンで最初の12音のための作品を完成させ、パリでは音楽の新古典主義が祝われ、ヨーロッパ中の作曲家はアメリカのダンス・スタイルに熱狂し、ベルリンでは政治的・経済的危機の真っ只中に公共放送が始まり、ラジオは音楽文化の普及と発展に非常に大きな役割を果たしていました。

ピアニストのヤアラ・タールがソニー・クラシカルに録音したこのアルバム「1923」は、まるで聴き手が100年前にタイムスリップして不思議な音楽の旅に出るような趣があります。様々な研究に基づいて、当時のピアノ音楽の豊かな多様性を体験する魅力的な作品がタールによって選び抜かれています。タールは、音楽学者のトビアス・ブリークからこのプロジェクトへのインスピレーションを受け、1923年に作曲された作品を研究しているうちに、この年の政治的、文化的、メディア的な連関性がいかに重要であったか、そしてピアノのためのレパートリーがいかに多面的で魅力的であったかを意識するようになりました」と、語っています。

アルバムには多様な様式の作品が並んでいますが、様式が異なっても作品間に明白な、あるいは暗示的な関連性が存在することがわかります。珍しい作品としては、詩人フリードリヒ・ヘルダーリンの言葉に基づくヨーゼフ・マティアス・ハウアーによる人間と自然を主題とした情景エピソードを音で再現した「ピアノのための小品」や、ブロッホによる一種の現代的なバラードである「涅槃」も含まれています。「Heautontimorumenus」という別名を持ち、人間と機械の関係を表す世界を描くフリッツ・ハインリヒ・クラインの「機械」は、「外部の自己風刺」を表し、おそらくこのアルバムで最もユーモラスな作品で、長年のピアノデュオパートナーであるアンドレアス・グロートハイゼンが参加しています。さらに独自の音楽語法で人間の魂の鏡を描いたヤナーチェクの小品や、タンスマンによる素晴らしい小さなダンスファンタジーも含まれています。
(ソニーミュージック)

『1923』
【曲目】
ディーリアス:『3つの前奏曲』
ジョゼフ・アクロン:『2つの小品』Op.56
ブロッホ:『涅槃』(ニルヴァーナ)
ヨーゼフ・マティアス・ハウアー:『ピアノのための小品』Op.25
~ 第1, 5, 6, 7, 11, 13, 14, 15曲
シェーンベルク:『5つのピアノ曲』Op.23 ~ 第5曲:ワルツ
アイスラー:『ピアノ・ソナタ第2番』Op.6(変奏曲形式による)
フリッツ・ハインリヒ・クライン:『連弾のための機械』Op.1 *
ヤナーチェク:『ないしょのスケッチ』
~「マラ・ストラナの宮殿」「メロディ」「ただ先の見えない運命なのか?」
モンポウ:『対話』
タンスマン:『4つのミニチュアダンス』
ジャック=ダルクローズ:『3つのダンス・エントランス』

【演奏】
ヤアラ・タール(ピアノ)
アンドレアス・グロートホイゼン(ピアノ*)

【録音】
2023年4月3-4,24-25日、ミュンヘン、バイエルン放送スタジオ

カテゴリ : ニューリリース

掲載: 2023年07月14日 12:00