CPO レーベル~2021年9月発売新譜情報(5タイトル)
知られざる名曲の発掘、古楽から現代まで幅広く揃えたコレクション、高品質の録音で人気を誇るドイツのCPOレーベル。知られざる名曲の発掘、古楽から現代まで幅広く揃えたコレクション、高品質の録音で人気を誇るドイツのCPOレーベル。
今回はエリザベス・ウォルフィッシュとウォルフィッシュ・バンドによるテレマンのヴァイオリン協奏曲集第7集に、モンテヴェルディと周辺作曲家の小編成による夕べの祈り、フランツ・イグナーツ・ベックの世界初録音となる歌劇“無人島”、プレイエルの“プロイセン四重奏曲集 第10-12番”、リノス・アンサンブルによるアンリ・ベルティーニの“九重奏曲&大三重奏曲”などCD5タイトルがリリースされます。
ゲオルグ・フィリップ・テレマン(1681-1767):ヴァイオリン協奏曲全集 第7集
エリザベス・ウォルフィッシュ(独奏ヴァイオリン&指揮)、ウォルフィッシュ・バンド(古楽器使用)
[cpoの人気シリーズ、テレマンのヴァイオリン協奏曲集!]
この第7集には3曲が収録されていますが、そのうち2曲の作品番号はTWV55の組曲、1曲はTWV51の協奏曲と、作品目録では別ジャンルに分類されています。組曲は基本的に6曲から8曲の舞曲で構成され、冒頭にはフランス風のゆったりとしたテンポを持つ序曲が付されています。協奏曲は当時の主流であった急-緩-急の3楽章構成です。
このように曲の形態は違うものの、どの曲も独奏ヴァイオリンには、繊細な感覚と高い技術を要求する華やかな旋律が用意されています。エリザベス・ウォルフィッシュ率いるウォルフィッシュ・バンドの見事な演奏が、聴き手を1720年代のヨーロッパ音楽文化への魅力的な旅へといざないます。
(ナクソス・ジャパン)
アンリ・ベルティーニ(1798-1876):九重奏曲、大三重奏曲
リノス・アンサンブル
[現在、練習曲の作曲家として知られるアンリ・ベルティーニ、2つの室内楽作品]
ロンドンでフランス人の両親の元に生まれたアンリ・ベルティーニは生後6か月でパリに移住し、父と兄(ムツィオ・クレメンティの弟子だった)から音楽の教育を受け、すぐに才能を開花させました。彼の父は12歳のベルティーニを神童としてイギリス、オランダ、フランダース、ドイツのツアーに連れ出し、各地で熱烈な歓迎を受けたということです。その後パリに戻り、フランツ・リストとコンサートを行う他、ショパンの友人のチェリスト、オーギュスト・フランショームともコンサートを行っています。当時は、作曲家、教師として広く称賛されましたが、穏健な作風を持つ保守的な作品は、没後ほとんど演奏の機会を逸してしまいました。
このアルバムに収録された2作品はベルティーニの作品の中でも比較的知られているもので、1825年頃に出版されたピアノ三重奏曲はシューマンが『新音楽時報』にレビューを書き「流麗なハーモニーを持つ曲」と評価、「香りのよりパリのフレーズはまるでサテンやシルクのような感触を持つ」と続けました。また1835年に作曲された九重奏曲は、初演時にベルリオーズが大絶賛し、日刊紙「ル・ジャーナル・デ・デバ」に記事を寄せています。知られざる作品の復活に力を注ぐリノス・アンサンブルの演奏で。
(ナクソス・ジャパン)
モンテヴェルディと友人たち - 小編成での夕べの祈り
ローランド・ウィルソン(指揮)ムジカ・フィクタ(古楽器使用)
[モンテヴェルディが後期のマドリガーレやオペラに通じる劇的な表現法による宗教曲]
16世紀から17世紀のヴェネツィアで活躍したクラウディオ・モンテヴェルディ。『聖母マリアの夕べの祈り』やサン・マルコ大聖堂のために作曲した音楽は西洋音楽の歴史において屈指の名作とされています。しかし、彼の作品はサン・マルコ大聖堂のような壮大な空間で奏されただけではなく、各地の宮廷などの小さな空間でも競って演奏されました。このアルバムは、そのような身近で私的な空間で演奏された晩課を想定して構成されています。また、この当時活躍していた作曲家はモンテヴェルディ以外にも数多く存在しており、近年の研究で彼らの素晴らしい作品に次々と光が当てられるようになりました。
ここでは、モンテヴェルディが楽長を務めていたサン・マルコ大聖堂のの若き奏者たち、ビアージョ・マリーニや、ジョヴァンニ・リガッティの作品と、モンテヴェルディの死後、次期楽長を務めたジョヴァンニ・ロヴェッタ、モンテヴェルディの助手を務めたアレッサンドロ・グランディ、そして大聖堂に関係があったとされるダリオ・カステッロの作品を併せて紹介。なかにはモンテヴェルディと同じテキストを用いた詩篇なども含まれており、各々の作曲家がお互いに切磋琢磨しながら生み出した多彩な音楽を味わうことができます。
(ナクソス・ジャパン)
イグナーツ・プレイエル(1757-1831):プロイセン四重奏曲集 第10-12番
ケルン・プレイエル四重奏団
[イグナーツ・プレイエルによる「12のプロイセン四重奏曲」を締めくくるアルバム]
ヴァンハルにピアノを学び、ハイドンに師事、ピアニストとして各地で活躍、パリに定住してからはピアノ製造会社を設立し、プレイエル・ピアノの名を世界に広めた偉大なる作曲家の別の側面が味わえます。
1780年代初頭のイタリアに住んでいた頃から弦楽四重奏曲を書き始めたプレイエルが、彼が1786年にこれら12曲をを完成させた時には、すでにこのジャンルの作曲家として多くの経験を積んでおり、充実した作風を持つ音楽は、モーツァルトをはじめ、数えきれないほどのファンをもたらしました。
イタリア風の明快さと、ウィーン風の優雅さを持つ一連の四重奏曲を、作曲家の名を冠したケルン・プレイエル四重奏団の演奏でお楽しみください。
(ナクソス・ジャパン)
世界初録音
フランツ・イグナーツ・ベック(1734-1809):歌劇《無人島》全1幕
ミヒャエル・シュナイダー(指揮)ラ・スタジオーネ・フランクフルト(古楽器使用)
[世界初録音、ハイドンの同名歌劇と同じ題材によるベックの《無人島》]
マンハイム出身のヴァイオリニスト・作曲家フランツ・イツナーツ・ベック。ヨハン・シュターミッツの才能ある弟子であり、マンハイム楽派を牽引、24曲の交響曲をはじめとした作品を遺しました。また人生の大半をフランスで過ごし、1761年から1791年までボルドー国立歌劇場の監督を務めるなど広く活躍しましたが、フランス革命の余波を受け、晩年は厳しい生活を送りひっそりとこの世を去っています。この歌劇《無人島》は1779年に作曲されたものの、初演されることはなく、長い間総譜も失われたとされていましたが、近年発見され、ようやくここに初演されることとなりました。
この作品は、当時大流行していたピエトロ・メタスタージオのイタリア語による台本を用いた軽快な音楽はとても魅力的。ドイツを中心に活躍するソリストたちと、古典派作品を得意とするミヒャエル・シュナイダーが指揮するラ・スタジオーネ・フランクフルトが見事な演奏を聴かせます。
(ナクソス・ジャパン)
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カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2021年08月18日 00:00