マルクス・ポシュナー/ブルックナー全交響曲の全稿を録音する#bruckner2024プロジェクト~ 第2弾は第8番(1890)ノヴァーク版!
「私たちはリハーサルの過程で、ブルックナーの交響曲の中にこれほどの爆発力や明るい色彩、とてつもない大胆さがあることに何度となく驚きました
——それにはスコアをいったん疑い、間違った伝統と真の伝統を区別する必要があったのです。」——マルクス・ポシュナー
ブルックナーは交響曲を一旦完成させてからも、さまざまな理由で手を加えることがあったために、同じ作品にいくつもの異稿・異版が存在する場合があり、これらの違いを聞いて楽しむのも熱心なブルックナー・ファンにとって大いなる喜びとなっています。
2024年はブルックナーの生誕200年にあたり、これを記念してブルックナーのすべての交響曲のすべての稿(バージョン)を録音しようという企画「#bruckner2024」の第2弾が早くも登場。最高傑作ともいわれる第8番(1890年版)です。ポシュナーは、速めのテンポを採り全曲を約77分にまとめています。全体として引き締まった演奏ですが、第1楽章と第3楽章ではオーケストラを重厚に響かせているため、軽い印象を与えません。また緩急・強弱の幅を大きくとっていることと、随所に現れる民謡や民族舞曲に似た部分を強調しているのもこの演奏の特徴。管楽器の浮き上がらせ方などに独自の工夫もうかがえます。使用楽譜自体はよく知られたノーヴァク版ですが、演奏に際しては緻密な読み直しが行われたことが推察されます。
国内仕様盤には国際ブルックナー協会会員の石原勇太郎氏の日本語解説が付属します。
#bruckner2024について
ウィーンを拠点とするレーベルCapriccioがブルックナー研究の第一人者でイェール音楽大学院のポール・ホークショーの監修の下、ブルックナーの全交響曲のすべての稿を録音するというプロジェクトです。少なからぬ曲で目下刊行が進んでいる新ブルックナー全集の楽譜が使われる予定。
指揮者には全曲を通じてマルクス・ポシュナーを、オーケストラはポシュナーの手兵リンツ・ブルックナー管弦楽団を主体にウィーン放送交響楽団も起用。今後は22年1月に第0番(ノーヴァク版)、22年5月に第4番1878/80年稿(新全集Korstvedt NBG III/1: 4/2)と続き、ブルックナー生誕200周年の2024年に完結の予定。
ブルックナー・ファンにとっては目と耳の離せないシリーズとなりそうです。
(ナクソス・ジャパン)
アントン・ブルックナー(1824-1896):
交響曲第8番 ハ短調 WAB108(1890) ノーヴァク版
演奏時間(CD表示タイム)
1. 第1楽章 15'12
2. 第2楽章 13'52
3. 第3楽章 24'32
4. 第4楽章 22'36
リンツ・ブルックナー管弦楽団
マルクス・ポシュナー(指揮)
録音 2018年2月5日、7-9日
リンツ・ミュージックシアター、リハーサル・ホール(オーストリア)
CD(輸入盤)
CD(輸入盤・国内流通仕様・日本語解説付き)
カテゴリ : ニューリリース | タグ : ANTON BRUCKNER
掲載: 2021年09月22日 00:00