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INNOSENT in FORMAL『INNOSENT 3』 発売記念インタビュー

INNOSENT in FORMAL

ヒップホップやロック、エレクトロニックなどの要素を飲み込んだストリート色の強いサウンドで、リスナーの体と心を揺す、今注目の“架空のカートゥーン・バンド“ INNOSENT in FORMALが新ミニアルバム『INNOSENT 3~High purity Mixed juice~』を12月15日にリリース!

 

神田駅より秋葉原を経由し隅田川へ、そして浅草にたどり着く散歩コースがフェイバリットというボーカル ぽおるすみす(以下ぽおる)。お酒を片手に川沿いのクルージングは『INNOSENT 0 ~The night late show~』に収録されている゛Night cruising“に結実しているという。

お台場の海辺で夕焼けを見つめZepp Tokyoの出演者を確認しつつ、いつかその舞台に立つことを胸に誓うギタリストのCANDY MAN(以下CANDY)。

本人からは特に明言は無いが、ぽおる曰くはたから見ると暴飲暴食を日々のたしなみとしているベースのKuni the ripper(以下Kuni)。ぽおるからは「あれ結構お金かかってますね。一番金かけてるんじゃないですか、趣味に」との見解も。

遠征の際には、ライブ前日に現地におもむき健康ランドに行くこともあるというドラムのTOY BOY。あくまで全国展開している間違いの無い健康ランドをこよなく愛するのは、ステディなビートをたたき出す堅実さからか。

今回は、映画から飛び出した彼らが「この世界」で結成したバンドのストーリー、そして新たに生み出された『INNOSENT 3~High purity Mixed juice~』について、ぽおるとCANDYに聞いてみた。

──最初の音源をリリースしたのはいつ頃でしょうか。

ぽおる「映画の世界から飛び出してきてライブハウスで活動を始めて、(こちらを参照)流通に乗せたのは4年くらい前。その前も自主でリリースはしていたんですけど。」

CANDY 「2017年に、今所属しているNo Big Deal Recordsのオーディションでグランプリを受賞してから限定Sgを出したりして、2018年に全国流通盤をリリースしました。」

──音楽性的には最初J-POPのカバーをやっていて、今のいわゆるミクスチャーという音楽性は最初にオリジナルを作ったときから確立されていたのでしょうか。

ぽおる「そうですね。最初にオリジナルを作ったときは、ロックンロールがすごい好きで、かつヒップホップもすごい好きだったんですよ。その2つを一緒にやりたいなっていう。自然とロックンロールのサウンドに聞きなじみのあるヒップホップをあわせて、気が付いたらこの形になっていいたという。既存のミクスチャーの系譜、そこを参考にしたというわけではなく、意図せずミクスチャーになったりました。」

「僕らは世代的にミッシェル(THEE MICHELLE GUN ELEPHANT)がすごい好きで。バンド内で音楽の趣味は、そんなに合わないんですけど、ミッシェルだけはみんな好きで。ブランキー(BLANKEY JET CITY)もそうですね。その共通項がイノセンのサウンドに反映されてます。多分バンドサウンドとしてはいわゆるミクスチャーみたいにそんな重たくないと思うんですよ。」

新ミニアルバム『INNOSENT 3 ~High Purity Mixed juice~』について

──今回の作品はフィーチャリングアーティストを各曲に招いていて、コンセプチュアルなアルバムだと思います。なぜ、こういった形のアルバムを作ろうとしたのでしょうか?

ぽおる「もともとライブハウスのシーンで活動していたんで、ずっとラッパーの人とやりたいなと。メジャーに行って第2弾を作ろうかとなったときに、ずっと温めてきたそれをやろうってなって。じゃあ、誰がいいんだろうと考えて。長いこと一緒に遊んできた友達であったり、前から好きで一緒にやりたかったラッパーの人たちを招いて。そんな風に自分たちのアイディアで決まったところもあれば、プロデューサーが曲に合うアーティストを提案してっくれたりとか。当然自分たちの音楽性も、もっと広げていきたいと思ったんで、新しいジャンルじゃないですけど、今までやってないことに挑戦しようという命題もあって、この1枚を作ったって感じですね。」

──曲作りの過程を教えてください。

ぽおる「曲それぞれなんですけど、大体はざっくりこっちでデモを作っておいて、実際にデータのやり取りだけだった方もいらっしゃいましたし、”愛じゃ崇ワナ feat. チプルソ”でやったチプルソさんはこっちである程度固めたデモを送って。ラップだけ乗っけて帰ってくると思ったら、オケまでいじられてて、これは結構レベル高くなってきたなって(笑)。そこで一種化学反応がおこって、なんていうんですかね、DJがフェーダーを下げると音が抜けるみたいな、そこでグルーヴ感を出すっていう手法をチプルソさんが取り入れてきて。それに対してバンドもリアレンジして、どう作っていこうかみたいなやり取りでしたね。」

「“my peaches feat.PES”は、プリプロの段階では、PESさんのパートは決まってなかったんですけど、その場で書いてくれて。マイクリレーみたいなパートでは、一緒に大喜利的にポンポンポンポンやっていって。レコーディングが終わって、自主企画で渋谷のSPACE ODDというところで、リリースイベントをやったんですけど、そのときも“my peaches feat.PES”1曲をやるためだけに来てくれた、男気を感じる方で、胸が熱くなりましたね。結構どの曲も振り返ってみると温度感高く、このやり取りをどのアーティストとも出来たなぁ、というのは感じますね。」

──多数のアーティストが参加する作品というのは、ドライな感じで制作されるかと思っていたんですが、とても温度感のあるアルバムなんですね。

ぽおる「僕も結構ドライになるかと思ったんですけど、これだけいろんなアーティスト、最初面識が無かった方も当然いるんで、どうなるのかなって思ったんですけど蓋を開けてみたら、音源作り終わった後も、対談させてもらったり。〈のみ行こうよ〉と声かけてもらうこともあり、ずっと繋がっていけるのがうれしいですね。」

──アルバムを聴いてみて、バンドなんだけどバンドサウンドに拘泥はしていないなと感じました。

ぽおる「わかります!いいものはいいというマインドなので、ロックバンドという軸はあるんですけど、僕らは結構そこにこだわらずに、一緒に作る人たちの意見を聞いてやっていくのが一番カッコよくなるというか。ルールをがっちり決めて、その中でやっていくのもいいんですけど、ルールを作らないほうが逆にカッコいいと感じますね。」

CANDY「僕も何かジャンルにこだわって、これじゃなきゃダメってことではなくて、自分がそのアレンジいいなって思えればどんどん採用して、ギタリストとしての意見は優先せず曲として、どのアレンジがいいかっていうのを最優先します。僕以外のメンバーも曲を一番優先するっていうマインドですね。」

──アレンジ優先となるとライブでのリアレンジ必要になってくると思うのですが。

ぽおる「そうですね。そこのライブでの再現性というか、曲の感じを出すのがやっぱ難しくて、そこは日々修行してます(笑)。」

──アルバムの聴きどころを教えてください。

CANDY「これまで『INNOSENT 0』から『INNOSENT 2』と出してきて『INNOSENT 0』はロックンロール色が強いアルバムになっていて、リリースを重ねるにつれ、バンドっぽくないサウンドも増えてきた。その幅広い広がりの中で、きちんとJ-POPっぽいメロディーがあり、ぽおるのラップがある、そのイノセンの良さが『INNOSENT 3 ~High purity Mixed juice~』でどのように響いているのか、これまでとの違いを楽しんでいただければ。と、思います。」

ぽおる「今迄生きていく中で感じるままに曲を作っていたんですけど、そこを曲ごとにテーマを設けて作っていったっていうのは初の試みでしたね。特に自分が今までだったら絶対やらないだろうなって思ったのは“doo dah!! winter!! feat.Nagie Lane”。男女混合のアカペラグループNagie Laneとの曲はクリスマスソングを銘打って作った曲で。いままでのマインド、自分たちだけだったらクリスマスソングって一生つくんなかったかな。一番バンド的にもサウンド的にもロックとアカペラを調和させるのが結構難しかった部分ですし、クリスマスソングとしてイノセンらしさもだしつつフィーチャリングの方たちのカラーも出しつつで成立させるのはかなりカロリー使いましたね。」

──歌詞に関して、初期のころから「PARTY」という言葉が頻出しているのが印象的で、みんなと「遊ぶ」ことを重要視してるのかなと感じました。

ぽおる「そうですね。みんなと遊ぶのが好きで、当然ライブもそうだと思うんですけど、自分一人だと楽しさの限界って限られてる気がして、それはそれで楽しいんですけど。でも、やっぱり外に繰り出して不特定多数の人たちとの偶然の出会いもアリみたいな。今回のアルバムもそうですけど、誰かと一緒にやることによって化学反応が起きる。それって日常でも同じで、友達の友達と同じ空間で会って仲良くなって。「PARTY」はその確率が一番高いんで。これまでもリアルな場にいって新しい人と出会うというのをずーっとやってきたので、その楽しさを伝えたいっていうのはありますね。」

──今、結構ライブがやり難いですよね。

ぽおる「やり難いですね。でも最近のライブは、すごい楽しい。みんなたまってた部分もあるのかなって思うんですよ。それが(コロナ禍以前に)徐々に戻りつつあるというか。それこそコロナ禍になりたてのころは、フロアもどういう空気で楽しめばいいのか分かんない、ってところもあったんですよ。そこが、だんだんジャンプしていいのかな、ちょっと揺れてもいいのかなという感じになってきていますね。ライブハウスがお酒解禁になったのもでかいですよね。打ち上げもなかなか中うち(ライブ会場で終演後、関係者で行う打ち上げ)ができる状況ではないかもしれないですけど、徐々にパーティーの雰囲気は戻りつつあるので、僕は悲観というか、暗いマインドではなく、きっと時間がたてば戻ってきてくれそうだなっていう光は見えていますね。」

──今回『INNOSENT 3~High purity Mixed juice~』を買ってくれた方に、秘蔵ライブ映像をプレゼントという企画がありまして。そのライブ映像の見どころを教えていただけますでしょうか。

ぽおる「ライブ映像は、僕らの演奏、音を聞いてもらいたいのは当然なんですけど、すごいフロアのノリがよくて、そこも見てほしいですね(笑)。フロアありきのライブ映像として、フロアも何なら演者くらいの感じの映像として見て欲しいですね。こうやってみんなでライブ作りたいですって感じです。まあ、さながらライブ来てるみたいなノリで、音源とあわせて楽しんでもらえたらうれしいですね。」

CANDY「特典映像としては、MCも結構長めにいれていて。演奏しているところもすごくいいんですけど、ステージに立ってて、ぽおるのMCが面白いっていうのと、きちんとその日にどういう気持ちでライブやっているかと、自分がどういう意味でステージに立っているかというというところも伝わってくるし、結構金言が詰まったMCがピックアップされてます。僕自身も聞いてて〈ああ、いいこと言ってんな〉と感じるので、そこも注目して欲しいです。MC含めてライブなので。」

ぽおる「毎回ライブ終わって、みんなと〈今日のライブどうだった〉と話しをするんですけど、そのときにCANDYは毎回〈今日ねMCがよかった〉という感想(笑)。」

CANDY「ライブ全体の流れはMCがあるとないとで、かなり違いますね。曲と曲のつながりだけでなくて、そのMCがあって、より次の曲を響かせる効果を生んでいると思います。突拍子もないところからきちんと落としていく、ということでライブ後MCがよかったと言ってます。」

ぽおる「行き当たりばったりですけどね(笑)。」

CANDY「(秘蔵映像は) 僕が、これまで録画されてきたライブからこれぞというシーンをピックして、一つのライブとして見れるよう流れを考え編集しました。MCも含まれた映像なので、お客さんと一緒にライブを体験している感覚が味わえます。なので必然的にMCも入れいます。」

ぽおる「他のバンドを観ていてもMCは大事だなと感じますね。MCなしでライブやることも、最初のころはあったんですけど、やっぱり、しゃべりたがりなんでMCなしでライブすることに違和感が出ちゃうんですね。MCはガンガン行っていいかと思って。それでしゃべるようにはなりました。MC大事ですね!」

──これまでのリリースはすべてミニアルバムでのリリースでしたが、アルバムとしてボリューム感のある作品を作る野望みたいなものはありますか。

ぽおる「作りたいですね。アルバム制作は時間がかかるんで、ポンポンと今はリリースしていきたいなってところもあり、そう意味ではミニアルバムが一番調子がいいというか。次がどういうリリースになるか分からないですけど、もっと凝ったインタールードを入れたり、自分たちだけの曲もあり、フィーチャリングした曲を入れたりとか。本当に1枚ズドンいうやつを作りたいですね。

ファンへのメッセージ

ぽおる「『INNOSENT 3~High purity Mixed juice~』でイノセンの音楽を聞いてもらいたいのは当然ですけど、『INNOSENT 3~High purity Mixed juice~』を間口にいろんなジャンルやアーティストに出会ってくれたら幸いですね。」

CANDY「今の時代だとアルバム単体で聴くっていうより、1曲1曲を個別に聴くというのがメインストリームになっているので、アルバム自体にそもそも意味があるのかっていうところが問われてくるとことになるのかなと思います。今回インタールードを収録したこともあって、一曲一曲が本当に別ジャンルといっていいほどの濃いものになってます。アルバムを通してずっと聴いて欲しいということではなくて、アルバムの中でこの曲はすごくたくさん聞くけど、この曲は聞かないっていうのがあってもいい。」

「例えば“愛じゃ崇ワナ feat. チプルソ”の前に入っている曲を聴いてそのあと“愛じゃ崇ワナ feat. チプルソ”をまた聞くことによって、その曲のイメージが変わってくるんじゃないかと思います。聴く曲の回数を変えていくことによって、自分の中で高純度のミックスジュースを作り上げていっていただけるとこれ幸いです。それが、アルバムを聴く意味にもなってくるんじゃないかなと。」

ぽおる「アルバム聴いたお前がミキサーだと。めっちゃいいコメントやん!俺がいったことにして欲しい(笑)。 今度からは、アルバムの説明はそう言おう(笑)。みんな一人一人がミキサーになっていろんな音楽混ぜていって欲しいっす!」

CANDY「Mixed juiceってタイトル、ぽおるが決めたんだっけ?」

ぽおる「そう。」

CANDY「Mixed juiceっていう響きもすごくいいですし、(ミニアルバムのタイトル名をぽおるが)Mixed juiceっていったのと、ほぼおんなじタイミングでジャケットデザインが決まったんで、すごいなって。まるで(ジャケットのテーマがMixed juiceと)決まってたかのように。」

ぽおる「(アルバムタイトルの解釈)今日布団入ったとき思い出そう!」

 

イノセン 

 

INNOSENT in FORMAL『INNOSENT 3 ~High purity Mixed juice~』
2021.12.14(WED)RELEASE


ヒップホップにロックやエレクトロニック、そして歌謡曲のメロディーを取り入れた斬新かつキャッチーなミクスチャーで、メジャー・シーンでも頭角を現してきたINNOSENT in FORMAL。新ミニアルバム『INNOSENT 3~High purity Mixed juice~』では、チプルソ、PES、RAU DEF、名古屋のラッパーAce the Chosen onE & Bug-V、東京のラップクルーquon6ら実力派のラッパー、楽器を持たないネオシティポップバンド、Nagie Lane、ら“今”を牽引する6組との、次元を超えたコラボレーションが実現。

ジャンルの垣根のみならず、幻想と現実の境界さえも揺れる、唯一無二のネオ・トーキョーミクスチャー、ここに完成。

1. How to make(switch on)
2. doo dah!! winter!! feat.Nagie Lane
3. Hang out feat.quon6
4. 愛じゃ崇ワナ feat. チプルソ
5. In the kitchen(thrilled)
6. my peaches feat.PES
7. katana feat.Ace the Chosen onE & Bug-V
8. カメレオン feat.RAU DEF
9. Tasting party(hang over)

限定映像配信詳細はこちら

 

掲載: 2021年12月14日 12:00