ソプラノ、マリー・ペルボストのソロ・アルバム!『18世紀フランス舞台音楽の恋の歌』
声の演技力あればこそ!18世紀フランス音楽の多様さを示すペルボストならではの1枚
フランスの音楽著作権協会ADAMIから2016年の新星オペラ歌手賞に選ばれて以来、ヨーロッパのシーンで演技力豊かな声が急速に話題となり、オペラ界に留まらずバロック・オペラ蘇演や知られざるフランス近代歌曲の発掘で早くも注目すべき実績を次々と挙げているマリー・ペルボスト。
ヴェルサイユ宮殿を舞台に刻まれた新たなソロ・アルバムはルイ15世時代のフランスに光を当て、多様な劇音楽から有名・無名にかかわらず魅力的なナンバーを厳選。ルイ15世の長く比較的安定した治世の中で育まれた、多角的な様相をみせる恋物語の数々の魅力に迫ります。
軸となる巨匠ラモーの3傑作(《イポリートとアリシ》〔1733〕、《カストールとポリュクス》〔1737〕、《プラテー》〔1745〕)からして音楽面でも物語面でもそれぞれに異なり、同時期の王室を魅了したルベル&フランクールのタッグや世紀半ばのパリの寵児ドゥーニなど、他の作曲家たちの作品にもバロック後期からロココの柔和さを経て古典派前夜まで、18世紀フランス音楽の多彩さと一貫性を矛盾なく実感させてくれる奥深い魅力がたっぷり。
ソプラノ歌手でありながら低い音域でも豊かな情感描写を聴かせるペルボストならではの、演技性あればこそのエールが集められているのも流石です。
ヴェルサイユの王室歌劇場ほか数々のステージで名演を披露してきたガエタン・ジャリの経験値が十全に活かされたオーケストラの音作りも頼もしく、どこから聴いても引き込まれずにおれないアルバムに仕上がっています。
(ナクソス・ジャパン)
【曲目】
1. ジャン=フィリップ・ラモー(1683-1764):天体のエール「照り映えろ、新たに生まれ出でた星々よ」
(《カストールとポリュクス》〔1737〕第5幕第7場より)
2. ジャン=バティスト・ニエル(1690頃-1771):恋の神のエール「わが両目を襲う眠りに」
(《ローマ人たち》〔1736〕第1幕第6場より)
3. フランソワ・ルベル(1701-1775)&フランソワ・フランクール(1698-1787):ガヴォット
(《イスメーヌ》〔1747〕より)
4. エジディオ・ロムアルド・ドゥーニ(1708-1775):ロジーヌのエール「おお、この村で敬われてきたお父様」
(《収穫に勤しむ人々》〔1763〕第3幕第7場より)
5. ラモー:狂気の女神のエール「恋の神よ、さあ矢をつがえて」
(《プラテー》第3幕第4場より)
6. ルベル&フランクール:イスメーヌのエール「おお、わたしたちに声を聴かせた者よ」
(《イスメーヌ》〔1747〕第3場より)
7. ラモー:プレリュード(《イポリートとアリシ》〔1733〕第3幕より)
8. ラモー:フェードルのエール「恋の神の残虐なる母よ」
(《イポリートとアリシ》〔1733〕第3幕第1場より)
9. ラモー:テライルのエール「悲痛なる衣装、青ざめた炎に」
(《カストールとポリュクス》〔1737〕序幕第1場より)
10. ジャン=ジョゼフ・ムーレ(1682-1738):イフィスのエール「さあ恋をしましょう、ためらっていてはだめ」
(《タリーの祭典》〔1714〕第2幕第5場より)
11. ラモー: シャコンヌ(《プラテー》〔1745〕より)
12. ジャン=ジョゼフ・カサネア・ド・モンドンヴィル(1711-1772):プシュケと悪鬼たちの対話「駄目だ、この苦しみが終わると思うなよ」
(《パフォスの祭典》〔1758〕第3幕第6場より)
13. モンドンヴィル:プシュケのエール「わたしの美しさは失われ」
(《パフォスの祭典》〔1758〕第3幕第6場より)
14. ルベル&フランクール:恋の神のエール「心ここにあらずで」
(《スカンデルベルク》〔1735〕序幕第3場より)
15. ラモー:諸芸術の精たちと喜びの精たちの歌「美の女神ヴェニュス、あなたこそ」
(《カストールとポリュクス》〔1737〕序幕第1場より)
16. ラモー:狂気の女神のエール「いそしみましょう、いとも華やかな音楽に」
(《プラテー》第2幕第5場より)
【演奏】
マリー・ペルボスト(ソプラノ)
ヴェルサイユ王室歌劇場管弦楽団&合唱団
ガエタン・ジャリ(指揮)
【録音】
2023年1月7-9日、ヴェルサイユ宮殿「マレンゴの間」
収録時間: 55分
カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2023年08月16日 00:00