マナコルダ&カンマーアカデミー・ポツダム/ベートーヴェン:交響曲全集(5枚組)~第3,4,8,9番は初発売!
アバドとともにマーラー室内管を創設し、指揮者としても薫陶を受けたマナコルダ―――ドイツ気鋭の室内管・カンマーアカデミー・ポツダムとともにその音楽性を全開させた充実のベートーヴェン全集が完成。
今ヨーロッパで熱い注目を浴びるアントネッロ・マナコルダとカンマーアカデミー・ポツダム(略称はKAP[カップ])。マナコルダはトリノで生まれ、名手クレッバースやグッリに学んだヴァイオリニストとしてキャリアをスタート。アバドの片腕としてマーラー室内管やルツェルン祝祭管のコンサートマスターを務めたのち指揮者に転向。2010年からはKAPの首席指揮者として、この室内オケを瞬く間にヨーロッパ有数の団体へと成長させています。指揮者としての初来日は2022年で、紀尾井室内管とメンデルスゾーンの交響曲第3番「スコットランド」で躍動感あふれる解釈を聴かせ、さらに2023年4月の読響とのマーラー第5番も鮮烈な名演を披露するなど、日本の音楽ファンにもその実力を知られつつあります。
マナコルダとKAPの演奏は、弦楽パートにはピリオド奏法を、金管楽器とティンパニには古楽器を採用し、溌剌とした生命力と歌心に富む演奏が繰り広げられています。特に弦楽パートを中心に精緻なアーティキュレーションが施されているのはマナコルダがヴァイオリニスト出身ゆえ。シューベルト、メンデルスゾーンの全曲演奏・録音を完成させ、高い評価を確立したうえで、本丸のベートーヴェンに乗り込むというのがユニーク。収録はベルリンのピエール・ブーレーズ・ザールとテルデックス・スタジオで行われ、一部はコロナ禍での録音も含まれています。
既に3枚分5曲(第1,2,5,6,7番)が発売済ですが、今回はあとの4曲(第3,4,8,9番)を追加し、交響曲全集としてのリリースとなります。交響曲第9番では、チェンバロ奏者・指揮者として注目を集めているヴァーツラフ・ルクスが創設したコレギウム・ヴォカーレ1704の合唱団が起用されているのも注目される点でしょう。
「ベートーヴェンの交響曲の全曲録音に取り組もうと思ったら、誰もがまず、世の中は本当にそれを必要としているのか、と問うことから始めなくてはいけません。だから私たちは待ったのです。6年か7年前、私たちはポツダムでベートーヴェンの9つの交響曲すべてをある週末に一気に演奏しました。これだけの巨大な作品群を比較的短い時間の中で演奏するための作業は、私たちすべてにとって大変に重要な経験になりました。今年、私たちは創設から20年目を迎えたことで、このベートーヴェン・プロジェクトに挑戦できるまでに成熟したと感じたのです。」(アントネッロ・マナコルダ)
(ソニーミュージック)
収録内容
ベートーヴェン:
<CD1>
交響曲 第1番 ハ長調 Op.21
交響曲 第3番 変ホ長調 Op.55『英雄』
<CD2>
交響曲 第2番 ニ長調 Op.36
交響曲 第4番 変ロ長調 Op.60
<CD3>
交響曲 第5番 ハ短調 Op.67
交響曲 第6番 ヘ長調 Op.68『田園』
<CD4>
交響曲 第7番 イ長調 Op.92
交響曲 第8番 ヘ長調 Op.93
<CD5>
交響曲 第9番 ニ短調 Op.125『合唱』
【演奏】
マリア・ベングソン(ソプラノ)
コリンナ・シューレ(メゾ・ソプラノ)
マウロ・ペーター(テノール)
ドミトリー・イヴァシチェンコ(バス)
コレギウム・ヴォカーレ1704
カンマーアカデミー・ポツダム
アントネッロ・マナコルダ(指揮)
【録音】
2020~2024年、ベルリン、ピエール・ブーレーズ・ザール(第1,5,6,9番)、ベルリン、テルデックス・スタジオ(第2,3,4,7,8番)
カテゴリ : ニューリリース | タグ : BEETHOVEN 2020 ボックスセット(クラシック)
掲載: 2024年03月01日 12:00