邦ロックファンを虜にするオマージュの数々!「ふつうの軽音部」の音楽ネタがマニアックでニクい!
「このマンガがすごい!2025」オトコ編の2位にランクインした、「少年ジャンプ+」で連載中の「ふつうの軽音部」が話題になっている。ちょっと渋めな邦ロックを愛する主人公・鳩野ちひろが憧れのギターを手に入れて、高校入学を機に念願だった軽音部に入部。個性豊かな部員たちに困惑しながらも、バンドを組んで学園祭など高校のイベントでライブをおこなっていくという音楽系+日常系のストーリーだ。
●音楽ファンを虜にする“あるある”や“オマージュ”の数々
「ふつうの軽音部」は「プロを目指す」や「音楽で成功するんだ」といった夢や野望に満ちたストーリーではないが、高校生活にありがちな人間関係やちょっとした出来事がリアルかつコメディ調で描かれており、読者の共感を得ている。
また、高校の軽音部あるあるや音楽ネタも豊富で音楽ファンからの支持も熱い。主人公のバンドや軽音部員たちがコピーする曲目には実在のバンドの曲が出てきており、邦ロックファンにはグサリと刺さる選曲となっている。本作で登場した曲をプレイリストにまとめて、聞きながら読んでいるという人もいるようだ。
作中に散りばめられた数々のオマージュも評判を呼んでいる。例えば、主人公のバンド「はーとぶれいく」はZAZEN BOYSの「はあとぶれいく」が元ネタ。主人公はZAZEN BOYSのボーカル・向井秀徳が好きという設定もあり、ファンの心をくすぐっている。
また、作中のコマでアーティストの写真をオマージュすることも。48話では向井秀徳の前進バンド・NUMBER GIRLがタワレコのポスターに登場した時のメンバーの構図、ポーズをオマージュしたコマがある。
他にも44話では銀杏BOYZの写真をオマージュしたりと、30~40代くらいの音楽好きにはたまらない仕掛けが盛り沢山だ。多くの人が経験したであろう10代の悩みや心情の機微、そして音楽ファンを虜にする“あるある”や“オマージュ”を描いた「ふつうの軽音部」から目が離せない。
タグ : レビュー・コラム
掲載: 2025年01月14日 13:00