江頭2:50「エガちゃんねる 10億回再生 下品の流儀」嫌われ者芸人が大人気YouTuberになれたワケ「羊の皮を被った下品」作戦とは?
芸人・江頭2:50のYouTubeチャンネル「エガちゃんねる」は、2025年2月現在で登録者数450万人を超えファミリーマートとコラボしたカップ麺も発売されるほどの支持を集めている。かつてお茶の間の「嫌われ者」だった江頭が、なぜYouTuberとして大成功を収めたのか、その軌跡を紐解いてみよう。
●嫌われ者から一転して大成功を収めた江頭2:50
江頭がYouTubeチャンネルを開設したのは2020年2月1日。準レギュラーだった「『ぷっ』すま」「めちゃ×2イケてるッ!」などが2018年に立て続けに終了し、仕事が激減して弱っていた江頭に、ディレクター・藤野義明がYouTubeチャンネルの開設を持ちかけたのがきっかけだった。
江頭はチャンネル開設にあたって、「1年間でチャンネル登録者数100万人」になると宣言。達成したら草彅剛をゲストに呼ぶこと、達成できなかったらブラジリアンワックスで全身脱毛という公約を掲げたが、開設からまさかの9日間で100万人登録を達成してしまった。ちなみに、草彅は同年7月にVTRでチャンネル出演している。
順調なスタートダッシュをきった江頭だったが、チャンネル開設後に話題になってその後登録者が伸びない芸能人は数多い。その中で、なぜ「エガちゃんねる」は伸び続けているのだろうか。
過激な言動で知られ、YouTubeでもたびたび広告審査に落ちる「下品」な動画を上げる一方で、実は「エガちゃんねる」には感動するような動画も多いという。
特に「真下から見る打ち上げ花火は言葉を失うほど綺麗でした。」では、江頭自身が企画した花火大会に本気で挑み、「死にたくなったらエガちゃんねるを見ろ!バカバカしくて死ぬのが嫌になるから!お前ら最高ー!」という名言も生まれた。
他にも、ひとりのファンのために動く「【佐賀凱旋】1年前に交わした約束を果たして来ました。」など、ファンたちから「神回」と呼ばれる動画が多数存在している。
そんな「エガちゃんねる」創設者のひとりである藤野が執筆した「エガちゃんねる 10億回再生 下品の流儀」では、「エガちゃんねる」の軌跡を深堀りすることができる。本書によると、江頭のファンが求めるコアな笑いだけではチャンネルは成立せず、ライト層や新規層にも受け入れられる「一般ウケ」も目指さなければ長続きしないという。
事実、2020年9月に公開された「【コント】江頭家の人々」は、江頭らしい「下品」な内容でシリーズ化を求める声が多かったものの、その割に他動画に比べ再生数は伸びていない。藤野は反応を分析し、一般ウケする内容に本当にやりたい「下品」を入れ込むという、「羊の皮を被った下品」作戦を取るようになったそうだ。
このほか、NG事項が多い企業案件でも江頭の持ち味を発揮するための葛藤など、チャンネルを伸ばすためにおこなった数々の施策が書かれている。本書を読んで、芸能界一の「嫌われ者」が「大人気YouTuber」になるまでの軌跡を楽しんでみてはいかがだろうか。
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タグ : レビュー・コラム
掲載: 2025年03月05日 19:35