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村上春樹最新作『夏帆 The Tale of KAHO』に登場するクラシック音楽

掲載: 2026年07月03日 16:00

夏帆

女性を主人公にした初の長篇小説。村上春樹の最新作『夏帆 The Tale of KAHO』が2026年7月3日発売
主人公・夏帆の父はクラシック音楽のレコード盤を収集するのがほとんど唯一の趣味、とのことで、今回も小説中にLPレコード時代のクラシックの名盤、名演奏家が登場しています!


村上春樹最新作『夏帆 The Tale of KAHO』のあらすじ

私はこの世界の出口を見つけなくてはならない――。女性を主人公にした初の長篇小説。
「正直いって、君みたいな醜い相手は初めてだよ」
26歳の絵本作家、夏帆は初対面の男にいきなりこう告げられた。
とびきり美しくも賢くもなく、ただ少しばかり好奇心の強い彼女は、 怒りよりもショックよりも、ただ純粋に驚いた。
――この男はいったい何を告げようとしているのだろう?
しかしそれから彼女の周りでは、実にさまざまな奇妙な出来事が起こりはじめる。



作品に登場するクラシック音楽と名演奏家

バッハ:ブランデンブルク協奏曲(p.300)

夏帆が父のLP棚の中からパブロ・カザルス(1876~1973)指揮 バッハ『ブランデンブルク協奏曲』を選び、一人で時折聴いていたとあります。そしてp.303には「第2番ヘ長調」を聴いているシーンが出てきます。


ブラームス:クラリネット五重奏曲 (p.326)

父親がブラームスのクラリネット五重奏曲を聴くシーンがあり、演奏者名は明記されていませんが、それは父親の長年の愛聴盤で、夏帆も曲名を覚えていた、とありあす。またp.348には「古いLPレコードで聴く」ブラームスのクラリネット五重奏曲というくだりもあります。ここでは古いLPレコード(モノーラル)の名盤、レオポルド・ウラッハ(クラリネット)とウィーン・コンツェルトハウス四重奏団の録音、及び、ウラッハの弟子のフリードリヒ・フックスとアルフレート・プリンツがステレオで録音した同曲をご紹介します。何れもLPレコード時代に広く親しまれた名盤です。


ブルーノ・ワルター 指揮者(p.300)

夏帆の父親が、昔ながらのステレオ装置(ラックスの真空管アンプ、スピーカーはタンノイ・バークレー)で聴いた、LPレコードの名演奏家の一人。
ブルーノ・ワルター(1876~1962)はドイツ出身の名指揮者。戦前は、ベルリン・フィルやウィーン・フィルと共演を重ねるも、ユダヤ人だったためアメリカへの亡命を余儀なくされました、戦前の巨匠でただ一人ステレオ時代まで長生きし、米コロムビア(現ソニーミュージック)はワルター専用のオーケストラ、コロンビア交響楽団を用意し、今も聴き継がれる数十枚もの鮮明なステレオ録音を残しました。


ジノ・フランチェスカッティ ヴァイオリニスト(p.300)

夏帆の父親が、昔ながらのステレオ装置(ラックスの真空管アンプ、スピーカーはタンノイ・バークレー)で聴いた、LPレコードの名演奏家の一人。
ジノ・フランチェスカッティ(1902~91)はフランスのマルセイユ生まれのヴァイオリニスト。輝かしい音色と完璧なテクニック、南欧出身者ならではの明るい音楽性の持ち主。1928年、大作曲家ラヴェルとイギリス演奏旅行に同行し、ヨーロッパ各地で独奏者として成功を収めました。1939年からは第二次大戦のヨーロッパを逃れてニューヨークを中心に世界的な活躍をしました。


サンソン・フランソワ ピアニスト(p.300)

夏帆の父親が、昔ながらのステレオ装置(ラックスの真空管アンプ、スピーカーはタンノイ・バークレー)で聴いた、LPレコードの名演奏家の一人。
サンソン・フランソワ(1924~1970)は戦後のクラシック界をすい星のように駆け抜けたフランスの天才ピアニスト。1943年、ナチス占領下のパリで開催された第1回ロン=ティボー・コンクールに優勝し、戦後は若くしてフランス文化を体現する存在として世界を演奏旅行しました。しかし、飲酒癖や薬物の噂などが絶えない「破滅型」で、46歳での早世が惜しまれました。


ピエール・フルニエ チェリスト(p.300)

夏帆の父親が、昔ながらのステレオ装置(ラックスの真空管アンプ、スピーカーはタンノイ・バークレー)で聴いた、LPレコードの名演奏家の一人。
ピエール・フルニエ(1906~86)はパリ生まれ、20世紀を代表するチェリストの一人。美しい音色、流麗なテクニック、気品高い表現で一世を風靡しました。フランスの作品はもちろん、バッハの無伴奏チェロ組曲やベートーヴェンのチェロ・ソナタといったドイツの名作にも名盤を残しています。


村上春樹の100曲

村上春樹の小説といえば、何を思い浮かべますか。
いくつかありますが、そのうちの一つは「音楽」、と言い切ってしまっていいほど、作品中に膨大な量の曲名・ミュージシャン名が登場します。それもすごく意味ありげに。
本書では、そんな春樹作品に登場する音楽から、ジャンルごとに20曲、合計100曲を選んで解説しました。
曲紹介を読んでいるうちに、小説の紹介になって、どうしてその曲が使われているのかもわかるようになるという、曲紹介からはじまる、新しい小説の読み方を提案しています。これ1冊で、村上春樹の小説も、登場する音楽もわかるようになっているのです。
巻末には「村上春樹の小説全音楽リスト」もついていて、具体的に紹介した100曲以外にどんな曲が登場しているのかもわかります。
読書ガイドとディスクガイドが融合した、ファン必携の1冊。登場する100曲、あなたはどれだけ聞いたことがありますか?


古くて素敵なクラシック・レコードたち

世界を代表する作家が愛する音楽は……?
こよなく愛するクラシック音楽をLPレコードで楽しんでいる村上春樹さん。百曲以上の名曲を論じながら、作家の音楽観が披露される。


村上春樹について

1949年1月12日生まれ、京都府京都市出身の小説家。
早稲田大学在学中に開業したジャズ喫茶を経営する傍ら、79年に『風の歌を聴け』で作家デビュー。
その後、専業作家となり、『羊をめぐる冒険』や『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』で受賞を重ね、87年の『ノルウェイの森』が大ベストセラーに。
その後も『ねじまき鳥クロニクル』『アンダーグラウンド』『海辺のカフカ』『アフターダーク』『1Q84』などのヒットを生み、国際的な作家として活躍。翻訳も多数。
また“ハルキスト”と呼ばれる熱狂的なファンの存在も知られ、例年ノーベル文学賞の最有力候補にも挙げられている。


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