インタビュー

THE DEEPEST FUNK FROM KEB'S CRATES

掲載: 2002年08月08日 11:00

更新: 2003年02月10日 14:53

UK最強のファンク・マスター、ケブ・ダージがBEAMS監修のもとレーベル・コンピをリリース!

一般の音楽ファンには知られない裏舞台で密かに高値の7インチ・シングルが取り引きされる、超ディープでレアなファンク/ソウル。そんなレアな7インチ・コレクターのなかには、いまでこそDJシャドウやケニー・ドープ(マスターズ・アット・ワーク)といった有名DJも存在するが、その第一人者といえば、やはりこのケブ・ダージだろう。その昔ケブは、ロンドンのカムデン・マーケットに立てたテントの一角で7インチ・ディーラーをしていた。同時に彼は、BBEからリリースしたレア・ファンク・コンピ〈Funk Spectrum〉シリーズなどを通じて、シャドウやピート・ロックなどヒップホップ・サークルのDJたちとコラボレートし、一部マニアのための音楽であったレア・ファンクを一般のリスナーにまで浸透させてきた存在なのだ。そんな彼が現在のファンク・バンドを起用して、進化したファンク・ミュージックに挑んだコンピレーション『BEAMS presents Keb Darge Deep Funk』が、彼自身のレーベルであるディープ・ファンクからリリースされた。

「もともと俺はコレクターじゃなくて、ただの〈音楽好き〉だし、DJで人を踊らせて、みんなに音楽の楽しさを教えることが大好きなんだ。レアな7インチをプレイして、フロアを懐古趣味でいっぱいにするより、トラディショナルなファンクとエキサイティングな新しいサムシングとを併せ持った音楽でみんなをもっと盛り上げたい。そう思ったのがレーベルやプロデュース活動を始めたきっかけなんだよ」。

ニューヨリカン・ソウルの出世曲をケブなりの解釈でいままた甦らせた絶妙のカヴァー・トラック“Nervous”、小気味良いクラブ・ボッサのエッセンスを持つニック・ヴァン・ゲルダーの“Ipanema Dreaming”、さらにはイントロからガラージ・クラシックをイメージさせるダンス・チューン“To Be Free”など、ディープ・ファンクの音源には、ケブのファンクへの愛情とフロアを通して音楽をクリエイトする情熱が漲っている。そんな彼をフォローするかのように、ディープ・ファンクはいまや国境を越え、ひとつのジャンルとして世界中に拡がりつつある。

「〈Deep Funk〉は昔ロンドンでやってたパーティーの名前なんだ。シンプルでリアルでディープ・アンダーグラウンドなブラック・ミュージックっていう意味さ」。

あくまでもインディペンデント性に基づく真のヒューマン・ミュージックにこだわるケブ。ディープ・ファンクとは、いまのコマーシャルな音楽シーンに向けた彼のメッセージでもあるのだ。

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ソース: 『bounce』 234号(2002/7/25)

文/Take Shimizu