RYUKYUDISKO
掲載: 2005年03月03日 12:00
更新: 2005年03月03日 20:33

それは巨大テクノ・パーティー〈WI-RE04〉での出来事。メインフロアからセカンドフロアへ向かう途中、目に飛び込んできたのがフロアに入り切れず溢れ出す人の波。中からは沖縄の盆踊り〈エイサー〉のリズムと共にプリミティヴなテクノが鳴り響く。〈ん、これ誰? でもかっこいいねえ!〉なんて言い合いながら、まるでどこかのお祭りに参加するように歩いている人々が足を留め、踊りに加わっていくというラヴリーな光景を目撃することができたこの瞬間――フロアをロックしていたのがRKD1、RKD2からなる沖縄出身の双子テクノ・ユニット、RYUKYUDISKOだった。
昨年、石野卓球が主宰するレーベル〈PLATIK〉からリリースされたデビュー・ミニ・アルバム『LEQUIO DISK』で沖縄伝統音楽のフレイヴァーと4つ打ちトラックとの相性の良さを提示し、シーンに現れた彼ら。初のフル・アルバム『RYUKYUDISK O TECH』では石野卓球、TOBY、彼らの実弟であるORANGE RANGEのギタリスト・NAOTO、民謡歌手の仲村奈月といった多彩な面々とのコラボレーションも披露し、さらにその可能性を広げてワン&オンリーのオキナワン・テクノを展開。今作でもより色濃くフィーチャーされている沖縄音楽とテクノの融合、この異種混合ダンス・ミュージックの誕生とは一体、いかなるものだったのだろう?
「ある時電気グルーヴの『ビタミン』を聴いて衝撃を受けて、それからはテクノに夢中で。それでだんだん〈自分でも作りたい!〉っていう気持ちが強くなって、機材を集めるようになったんです。テクノを作りたいがために音楽を始めたという感じで。でもテクノって歌もないし、難解な面もあるじゃないですか。そんななかで、すでに活躍しているアーティストに対抗できる何かはないかな?と考えていた時に、沖縄音楽は普段生活していても自然に耳に入ってくるような環境だったしいちばん身近な音楽なので、これを採り入れてテクノを作ったらおもしろいんじゃないかと思って作ってみたら、すごくしっくりきたんです」(RKD1)。
沖縄独特の笛の音色や太鼓の鳴り響くリズム、エイサーのかけ声。普段、都会で生活しているとなかなか耳にすることのない沖縄音楽特有の琉球音階(通常の音階からレとラを抜いた状態の音階のこと)を採り入れた手法、はたまた沖縄の海を彷佛とさせる波の音。それらを含みながらもテクノ特有のグルーヴ感は決して失わず、ライヴっぽさをも感じさせるようなリアルなダンス・ミュージック……RYUKYUDISKOが放つ音は実に多彩だ。
「アルバムは基本がテクノで、クラブでも機能する音ということと普段の生活でもちゃんと聴けて楽しめるものにすること、それにヴァリエーションに富んだものにしたいと思っていたんで、いろんな人たちとコラボレーションをして。今回はオリジナルの歌を使いたかったので2人で一から作詞したんですがこれが苦労しましたね。まず標準語で歌詞を書いてから、沖縄の方言に直してという作業が大変でした。あと、卓球さんやTOBYさんが参加してくれた曲は神経を使って作りましたね」(RKD2)。
「卓球さんとは沖縄と東京で音をやりとりするほかに、僕らが卓球さんのスタジオに行っていっしょに作業しながら作ったんですけど、憧れであり目標でもあった人といっしょに音作りをするのは、やっぱりすごく嬉しかったですね(笑)。僕らが普段曲作りするときって、踊りながら作るんですよ。RYUKYUDISKOの音楽はライヴを基本に考えてるので、アルバムの印象もライヴっぽく聞こえるのかも知れませんね」(RKD1)。
みずからを〈テクノ・バンド〉と名乗り、実際ライヴでも高い評価を受けている彼ら。近い将来、テクノ・イヴェント以外のどこかのロック・フェスティヴァルでもRYUKYUDISKOの勇姿を目撃することができそうなのは、言うまでもないだろう。
PROFILE
RYUKYUDISKO
沖縄出身の双子テクノ・ユニット。兄・RKD1が楽曲制作を始めたころ、弟・RKD2がDJ活動を開始する。テクノに沖縄民謡を採り入れたライヴが話題になり、石野卓球のレギュラー・パーティー〈STERNE〉にも3年連続出演を果たす。2004年6月にミニ・アルバム『LEQUIO DISK』でデビュー。その後、ORANGE RANGE、m-floなどのリミックスを担当し活動の場を拡げる。また、〈WIRE04〉に初出演した際には入場規制がかかるという異例の事態に。その模様を収録したDVD「LEQUIO LIVE -LIVE at WIRE04-」が話題を呼ぶなか、このたび、ファースト・フル・アルバム『RYUKYUDISK O TECH』(PLATIK)が3月4日にリリースされる。
・『RYUKYUDISK O TECH』
1.KAJI NU UTA 試聴するWMA
2.RYUKYU DENBU 試聴するWMA
3.NIRAIKANAI
4.SPRINGLIKE MELODY
5.GUITAR BROS feat.NAOTO
6.EISA SANBA
7.BUNAGAYA
8.AWESOME BEATS
9.ISLAND SPIRITS
10.ROKROCK is BACK
11.EISA MATSURI ReCHAMPLOO 試聴するWMA
12.TOSHIN ACID BOY
13.DOUBTFUL GIRLS
14.RAINY SEASON feat.TOBY
15.SIESTA feat.URU
16.SUNSET BEACH feat.TAKKYU 試聴するWMA


