KENTY-GROSS
掲載: 2005年07月07日 13:00
更新: 2005年07月07日 19:24
レゲエ・シーンの激戦区、大阪でサヴァイヴしてきた注目の若手芸人……いや、唯一無二の話芸でシーンをさらにアツくさせるKENTY-GROSSのお通りだ!!

ヤンキーだった中学時代にレゲエと出会い、セレクターに憧れてレコード集めから始めてはみたものの、お金のなさにつまづいて「自分が歌うのはタダやな、日本語やったらイケんのちゃうか」とDJを始めたというKENTY-GROSS。彼のスタイルの根っこには97年に訪れたジャマイカで触れたDJたちの「話になっててオチでボカーンっていうスタイル」がある。そこに自分を重ね合わせる彼流のエンターテイメントは、ジャマイカを経由して日本の、もっというと彼の住む関西の話芸をも引き寄せるものだ。
「ジャマイカ人のスタイルがカッコええなあと思ってやってくうちに、日本の漫才にもちょっと近いもんがあるってところで、〈ボケ・ツッコミ・スタイルも採り入れて音に乗したらオモロいやん〉って気付きだして」。
サウンドのダブでもお馴染み、彼とTOMY BORDER(KENTYとは小学校の野球チームからの仲だという)による代表曲ともいうべき“どないや”も、それがわずか1日で形となった楽曲だという。
「いっつもこんなことばっか言い合いしてますね。言われたら返すみたいな」(TOMY BORDER)。
「人との話んなかでええ言葉が出てきたら〈あ、それ俺のモン〉みたいな(笑)。それに大阪弁はライムにしたらめっちゃおいしい。“どないや”もインパクト勝負」。
漫才のような話芸が、それを聴く人たちとの空気に左右される生モノであるように、KENTY-GROSSの音楽もまた生モノだ。ひとつひとつの楽曲は生まれきて終わりではなく、現場で磨き上げられていくもの。ましてや、複数のパフォーマーが出ることも多いダンスの現場ではどこよりも「おいしいとこ持っていったモン勝ち」なのだ。
「大阪の客は3回やったら、〈お前またいっしょやんけ!〉って言われるんすよ。もう常に変えていかなすぐ飽きられる。だからおいしいとこ、おいしいとこっていうのがあるし、人とはちゃうことしたろ、みたいな。いろんな壁を破っていきたいいうのもあるし」。
“どないや”を含む彼の初めてのCDアルバム『G STYLE XX』もまたそうしたキャリアの結晶。かつて発表されたテープ・アルバムの楽曲も踏まえた本作は、ここまでの彼のキャリアを総括するような〈ベスト盤〉的内容だ。そこには笑いに止まらぬ彼なりのスタイルを見ることができる。
「ジャマイカはレゲエやダンスが最大の娯楽やったりするし、そこに全部詰まってるから、シリアスなとこもエロいとこも笑いも。日本はそれが未開拓なぶん、逆においしい。まだまだできるなって」。
彼の芸風の拡がりが日本のダンスホールの幅をも拡げていくことを祈るばかりだ。


