『ミズカネ』の制作にインスピレーションを与えたかもしれない4枚
★田中ユウイチが選ぶ1枚
YES 『Fragile』 Atlantic
「アレンジに煮詰まってる時によく聴いてました。このアルバム、いまの日本の音楽事情と比べるとめちゃくちゃブッ飛んでるんですよね。アレンジも複雑に入り組んでるし、大曲のあとに短い曲がいくつか並んでたりして、〈なんじゃ、こりゃ?〉ってことですべてが構成されてる。だから聴いてるうちに悩んでいる自分が小さく思えて、見通しが良くなる気がするんです。特に好きなのは“Roundabout”と“Heart Of The Sunrise”ですね」。
★hozzyが選ぶ1枚
ERIK SATIE 『ジュ・トゥ・ヴ~サティ・ピアノ名曲集』 コロムビア
「サティは2001年くらいから好きになって、それ以来いつも聴いてます。自分のメロディーを分析してみると、サティの作る音階にわりと影響されてるのかなって思いますね。聴いているうちに透明になれる感じ、というか。クラシックはわりと好きで、〈ベストクラシック100〉みたいなCDを買って、気に入った作曲家をチェックしてます。指揮者とか演奏者、楽団によって全然違うのもおもしろいですよね。サティの場合は、アルド・チッコリーニっていうピアニストの演奏がいちばん好きです」。
★渡辺拓郎が選ぶ1枚
KENSO 『うつろいゆくもの』 キング
「今回の『ミズカネ』は言葉に頼らず、感覚を共有しながら作っていくことが多かったんですけど、〈イメージをどんなふうに具現化していくか〉を考える時にすごくヒントになったアルバムです。聴いていると、色や風景が浮かんでくるんですよ。イメージを膨らませる部分を刺激してくれるアルバムですね、僕にとっては」。
★藤森真一が選ぶ1枚
AKAKAGE 『I'm your clown』 ファイル
「アルバムの制作中に聴いてたわけじゃないからちょっと趣旨と違うんですけど、このCDのジャケットを見つけた時、〈え、『ミズカネ』?〉って思ったんですよ(笑)。よく見たら〈AKAKAGE〉って書いてあったんですけど、気になって試聴してみたらすごく良くて。家で流してるだけで、すごく気持ちいいです。伊藤陽一郎さんはEvery Little Thingの“スイミー!”っていう曲のリミックスもやってるんですけど、それもすごくいいですよ」。
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