インタビュー

EMI MARIAの宝石――(1)

 

SEEDA『花と雨』 KSR(2006)

本作の表題曲は主役の特別な祈りが託されたクラシックだが、終盤に流れ込むようなEMI MARIAのメロウな歌唱がこの名曲にさらなる荘厳さを持ち込んでいるのは疑いない。その歌を前に出したSUBZEROのリミックスも絶品だった。

TOMOGEN『06 OUT SIDE』 FOCUS興業(2007)

DOBERMAN INC構成員のソロ作で、韻踏合組合メンバーとの初合体という点も話題となった遊戯の参加曲“In Da Club”にEMI MARIAがコーラスで抜擢。妖しい雰囲気のビートに寄り添って幽玄ヴォイスを漂わせる。

I-DeA『re;cover』 徳間ジャパン(2007)

東の職人が複数のシンガーをフィーチャーして挑んだ名曲カヴァー盤で、EMI MARIAは丁寧な歌い口でデニース・ウィリアムス“Free”を担当。わずかに不安定さも覗かせるものの、原曲の本質であるフラジャイルな雰囲気は逆によく出ているか。

EMI MARIA『Between the Music』 FMMP(2007)

I-DeAの助力を得て仕上げた5曲に、客演したWOLF PACK曲“Which”をボーナス収録したデビューEP。自己流の創作が不思議な独創性に繋がった“いえないことば”をはじめ、彼女最大のチャームでもある哀愁味に溢れたリフレインとスキャットはすでに美しい個性を放っている。

10FOR EFDEE『104~4 Japanese~』 h.g.p.(2008)

DESTINOとDJ FILLMOREが曲ごとにゲストを迎えて作り上げたプロジェクトのアルバム。DS455のKayzabroと共に“2 MY FANS”にフィーチャーされたEMI MARIAは、爽やかな濃密さとでも形容したい歌唱をアピール。

WOLF PACK『GOLD EXPERIENCE』 FOCUS興業(2008)

NAOtheLAIZAやDJ GEORGEら大阪の猛者が集ったFOCUS軍団のエースによるミニ・アルバム。ここにボーナス収録されたMOGGYの“トロピカル”ではふたたびEMI MARIAが登場し、コッテリした男らしさに華やかな存在感で対峙してみせる。

EMI MARIA“I gotta-Summer Kiss-” KSR(2008)

NAOtheLAIZAを共同アレンジャーに迎えた初シングル。清涼なコーラスが快いサマー・チューンだが、後のアルバムに収められた冬ヴァージョンは歌詞も真逆の別れの曲に。重たいベースが凶悪なBACHLOGICの電化トランス風リミックスはここでしか聴けない!

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掲載: 2010年03月24日 17:20

更新: 2010年03月24日 17:21

ソース: bounce 318号 (2010年2月25日発行)

ディスクガイド/出嶌孝次