インタビュー

スタジオの奥から表舞台へ……――(1)

 

ここ数年の〈ソングライター経由シンガー・デビュー行き〉的な流れを作ったのは、もちろんニーヨだろう。そのコースをより強固にしたのが、独特の作風を定着させたドリーム。そしてニーヨの台頭以前から活躍していたショーン・ギャレットやジョンテイ・オースティンがそれに続く格好となる。特大ブレイクしたドリームは別としても、ショーンは結局USではアルバムがお蔵入りしてしまってたり(アッシャーの“Papers”を書くなどソングライターとしては復権している)、同じように、2007年からアルバムがお蔵入りしたままのジョンテイはまだデビューを狙っているのかしら……。

まあ、何が言いたいのかというと、先に名を上げた四天王たちが明暗を分けつつも、ソングライター仕事をこなしながらシンガ-として浮上する機会を窺っている面々は減る気配もない。そのなかでもすでに著名な名前は次頁にていくつか紹介しているが、もはやヴェテランのマケバ・リディックやクロード・ケリー、ジーズィやリック・ロスに書いたフックで耳を惹いたケヴィン・コッソム、アーバン・ポップ寄りの仕事が際立つブルーノ・マースなどなど、注目株の名前だけでも膨大なのが現状である。ひとまずは、自身のソングライトしたリアーナ“Rude Boy”が全米No.1を爆走中のエスター・ディーンに大注目しておくべきでしょうね。

 

▼関連盤を紹介。

左から、ニーヨのベスト盤『The Collection』(ユニバーサル)、ドリームの2009年作『Love vs Money』(Radio Killa/Def Jam)、ショーン・ギャレットの2008年作『Turbo 919』(ユニバーサル)

 

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2010年06月08日 21:00

更新: 2010年06月08日 21:13

ソース: bounce 320号 (2010年4月25日発行)

文/出嶌孝次