インタヴュー(2)「言葉には、覚えやすいものと覚えづらいものがある。ストーリーに流れがあるものは、矛盾なく理論でねじ伏せてあるから覚えやすいんです。」
「言葉には、覚えやすいものと覚えづらいものがある。ストーリーに流れがあるものは、矛盾なく理論でねじ伏せてあるから覚えやすいんです。」
― では、話をDVDに収録されてるコントの内容に移しましょう。まず、“pumpkin”では、
台詞の言い回しやストーリー展開に関して、何か参考にされたものはありますか?
設楽「これはもう、普段僕たちがやっている感じというか。2人の関係性というか(笑)。
追い詰めちゃう感じ?理論的なネタなんです。」
日村「だから何回練習しても、なぜ僕が結果こうなってるか分からないんですよ。難しいですよね。」
設楽「このネタ自体、カボチャ1個から始まるんですけど、最後にはこの人が奴隷になっちゃうという・・・。」
日村「話と関係ないですよ、かぼちゃ。」
― なんでカボチャなのですか?
設楽「言葉の組み合わせというか、100円のアイスと
50円のアイスの話と同じことなんです。」
― それは、ドラえもんに出てくる話ですね?
設楽「そう。あれ?って不思議に思うけど、
良いのだろうか・・・みたいな。
それをより複雑にするためにカボチャを出してるわけです。
カボチャという意識があると、人がカボチャ1個から奴隷になるという状況は、
絶対ハマッてる証拠じゃないですか。
しかもカボチャは本当は関係ないんです。
あえてお芝居を見るときにカボチャがあると楽しいから置いていて。
お客さんは、カボチャを見ますし、カボチャの存在が頭から離れないように
なりますから。」
日村「1回目って、大方そこまで意識して見ないじゃないですか。
作った僕らも。傑作選だと、1回演じてるものの再演だし、客観的に見れるために細かい直しが出来る。
だから、ネタとしての完成度はさらに上がっているんです。」
― “Destroy the composition”など台詞が多くて覚えるのが大変そうですね。
日村「いや、これはまだ楽な方ですよ。」
設楽「覚えやすいものと覚えづらいものがあって、
ストーリーに流れがあるものは覚えやすいんです。
まったく脈絡のないものは覚えづらいですね。
ちゃんとした言葉でやりとりしなきゃいけないものは難しい。
これは、何回見ても同じ流れになるように組まれてるんです。
矛盾がない。ちゃんと理論でねじ伏せてるというか。
そうなると逆に、この言葉はこう作用させていかないといけない、
となった場合途端に覚える恐怖心が出てきます。
間違ったことは言えないですからね。そういう種類の台詞は覚えるのが
難しいんです。不規則、規則性がなく言葉を割り振っているので。」
― 結婚式のスピーチのシーンは、台詞通りだったのですか?
設楽「僕らって、アドリブはほとんどしないんです。
台本に書いてあることしかしなくて。
でも、これに関しては長年の時間がそうさせたのか、
実はアドリブがバンバン入ってるんですよね。
だから、僕らからしたら珍しいんです。テレビでは出来なくても、
ライブは自由だから面白いですね。」
― 今までに台詞を覚えられずあせった経験はありますか?
設楽「僕は本番ギリギリまで台本作ってることが多いのですが、自分で作ってるので台詞を覚えてるんですよ。
日村さんは別なので、後輩に読んでもらって覚えたり。でも二人ともギリギリです。
覚えられないまま出るときもあります。
一番最悪だったのは、ライブ初日の朝に台本が出来上がってしまったことがあって・・・。
さすがに覚えられないから、メモ帳に何か書きながら電話をするシーンを設定して。
実は、そのメモ帳に台詞をバーッと書いたことがあります(笑)。これ、かなりぶっちゃけ話ですね(笑)。」
日村「お客さんの前で2、3回やれば覚えますね。やっぱり1回やっておくと違います。」