LONG REVIEW――rega 『Lyrics』
インスト・バンドというだけでもてはやされた時代がすっかり過去となり、多くのバンドが〈次〉を模索しているなか、なぜregaだけがメンバー・チェンジもものともせず軽やかにキャリア・アップを続けているのか? その答えは、本作がしっかり示している。
もちろん、その理由のひとつは彼らの稀有な音楽性にある。インスト・バンドの2大潮流であるジャム系とポスト・ロック系の、ある意味正反対な特色をバランスよく持ち合わせていること。つまりは、現在の〈ダンス・ロック〉の隆盛にも通じる、ファンキーな外向きの開放感と、ポスト・ロックの源流に位置するハードコア的なエッジによる内側へと引き込む力、regaはその両面を兼ね備えているのである。例えば前者なら“Gossip”、後者なら“U.W.A.h”あたりが、その特色をよく表していると言えよう。
そして、もうひとつが、『Lyrics』というアルバム・タイトルに象徴される、言葉への意識である。ふたたびインスト・バンドを大きく2つに分けさせてもらうと、〈言葉がないからこそ広げられるイマジネーションを追求するバンド〉と、〈言葉で語りかけるように音を鳴らそうとするバンド〉の2つに分かれると思うのだが、これまでの主流が前者だったならば、regaは後者の感覚を主流へと導く可能性を持った、新しいタイプのバンドなのだと思う。“Pepo”や“Comedy”などで聴くことのできる各楽器の自由な絡みは、まさに友人同士のとりとめのない会話のようであり、だからこそregaの音楽を聴いていると、心が弾むのだ。
★rega“Mr.MARLOWE” PV
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