INTERVIEW（2）――陰湿なミックス（笑）

陰湿なミックス（笑）

――イントロの繰り返しっていうのは、アタマの〈こんだけ言ってもみんながみんな似たもの同士になるなら〉っていうラインの繰り返しだよね。曲はRIP SLYMEの“さよならを言わせないで”。

「いま、日本語ラップのミックスってブートものも含めてすげえ出てて、おもしろいものもあればやっぱつまんないものも相当ある。名前も知らないような奴の聴いても全部見本市っていうか、いま聴いて盛り上がる曲が詰まってるだけでおもしろくないし、俺は基本変なことしたいっていうか、最初にカマしたいって思う人間なんで、この曲を入れた。リリックもいいし、〈似たもの同士になるなら～〉っていうので宣言しとこうかなみたいな」

――実際、日本語ラップのミックスCDも特にメジャーから出てるようなものには選曲やアーティストの偏りを感じることも多いよね。

「なんでそんなとこ突っ込んでくるんすか（笑）」

――というか単純に感想としてさ。それ思わない?

「いやなんか、J-Popと日本語ラップが混ざってたりすんのとかって俺はないなと思うんですよ。完全に商業的な匂いを感じるっていうか、いままでJ-PopのDJやってたわけでもないのに急にいいとこばっか詰めて出すってすげえなと思う」

――セレクトに幅があるのはいいとしてもね。

「日本語ラップもカヴァーしてるけど、結局J-Popの4つ打ち入れて、キラキラさせてみたいな。だったら俺も〈申し訳（ナイト）〉とかでやってんだから、俺にJ-Popのミックスやらせてくれよって思うし、もっと愛のあるミックスするし」

――まあ今回のミックスはそういうキラキラしたものとは比べるまでもなく……。

「比べるまでもなく陰湿なミックスになってます（笑）」

――RHYMESTERもファースト・アルバム『俺に言わせりゃ』から、しかもよりによって（スキットの）“星に願いを”が選曲されてるっていう。

「わざわざ加工して、最後伸ばしてパン振ってっていう愛のある嫌がらせも込みで（笑）。あの人たちファーストは何となくないことになってますけど、そこを掘り起こすのは俺の役目だなと」

――これが収録されてるのを見た時点で、信頼できるミックスだと思った（笑）。ファイル・レコード某氏の声で始まるKOHEI JAPANさんの“夜の狩人”にしてもね。

「まあ、嫌がらせですよね（笑）。〈何使ってんの〉って怒られましたけど」

――A.K.I.PRODUCTIONSの収録もしかり。

「曲調としてまあここにしか入れられないっていう（笑）。“Bay Dream-課外授業- PUNPEE Remix”（サイプレス上野とロベルト吉野）が最後に入ってるけど、基本的に（いとう）せいこうさんの“MESS/AGE”で1回締めて、エクスクルーシヴはこっちだったみたいな。これもファイル聴いてきた以上、絶対外せないと思った」

▼今回のミックスCDに登場するアーティストの作品（1）

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