DOOBEEIS 『DOOBEEIS』
[ interview ]
〈This is a journey into sound〉——コールドカットがエリックB&ラキム“Paid In Full (Seven Minutes Of Madness -The Cold Cut Remix)”のイントロでこんな声ネタをサンプリングしてからおよそ22年の時を経たいまも、人々はさまざまな音楽に魅了されながら、その終わりなき旅路を満喫している。東京を拠点に活動するGOUKIとHIDENKAによって結成されたDOOBEEISもまた、彼らの出発地であるヒップホップに根を張りながら無限の音楽世界へと積極的に足を伸ばし、訪れた地のパノラマを自前のサウンド・ノートにしたためる。そんな彼らの自由な旅の記録が、このファースト・アルバム『DOOBEEIS』だ。
俺らのほうがかっけぇんじゃねぇの?
——まず最初に、お二人が音楽に触れたきっかけから教えてください。
GOUKI「小学生の時からラジオを録音して遊んだり、音楽は日常的に聴いてました。それからロックを聴くようになって。高校時代には、どこかでライヴするワケでもなくアコースティック・ギターを買って練習してましたね」
HIDENKA「俺は中学からスケートボードを始めたんですけど、向こう(海外)のスケート・ヴィデオってすげぇいろんな音楽が入ってるじゃないですか? だから、そのBGMをテープに録音してずっと聴いてた。おかげで、ハードコアだったりヒップホップだったりレゲエだったり……いろんなのを聴いてたかな。それを聴けば、俺もスケボーが上手くなるような気がしてましたね(笑)」
——その後、ヒップホップを意識的に聴くようになったのはなぜですか?
GOUKI「地元でずっといっしょだった友達が、高3の時にターンテーブルを買ったんですよ。俺はそれまでヒップホップは聴いてなかったんですけど、おもしろそうだなぁと思って地元のヤツとフリースタイルの真似事をやって遊んでたのがきっかけ。それがやっぱりおもしろくて、最終的には人前でライヴするまでになっていった感じですね」
——いきなりラップだったんですか?
GOUKI「その時にはまだギターもやってたし、ラップとかDJとかそういうのをあまり意識せずに、カルチャー全体を楽しんでた。海外モノも聴いてたけど、(MICROPHONE)PAGERやLAMP EYEを知ってからは、〈日本人のラップもかっこいいな〉と思って。それが刺激になった。〈日本にもこういう人がいるんだ!〉って、びっくりした記憶があります。実際にライヴを観に行った時に体感した衝撃はいまでも覚えてますね。あれから火が付いたっていう」
——HIDENKAさんはいかがですか?
HIDENKA「俺はヒップホップにハマったのも、さっき話したスケート・ヴィデオがきっかけなんですよ。エンディング・ロールを見てCDを買うようになって。最初はコモン・センスやメソッド・マンを買ってましたね。そんななか、先輩からMICROPHONE PAGERのアルバムを聴かせてもらって。それで友達とこっそりラップを録ってみたら、なぜか〈俺らのほうがかっけぇんじゃねぇの?〉ぐらい思っちゃって(笑)。マイク・ジャックにヘッドフォンをブッ刺して録った時から、そのままずっとやってる感じです」