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インタビュー

INTERVIEW(3)――〈音の旅〉をしてるような感覚

 

〈音の旅〉をしてるような感覚

 

——そのコンセプトは、初のアルバムとなった今回の『DOOBEEIS』にももちろん繋がっているワケですね?

GOUKI「そうですね。今回、俺たちは普遍的なことを伝えていきたいと思ってたんですよ。もちろん使ったワードのなかには、一般の人にとって普遍的とは言えないものも含まれてるかもしれないけど、俺たちにとってはどれも普遍的なこと。過ごしてる時間はみんなと何ら変わらないなかで、俺たちはどう楽しんでるかっていうのを表に出したかったっていう気持ちがすごいありましたね」

——確かに、小さなテーマ設定を大きな目線で綴ってみたり、その逆もしかり……リリックの構成の仕方がすごくおもしろいなって感じていました。なおかつ、今回のアルバムはお二人のライフ・スタイルをそのまま反映しているのかなって。では、そんなリリックを彩るサウンド面ではどんなことを意識して制作を進められましたか?

HIDENKA「一定の周波数で全曲を統一できるようには意識しましたね。それは感覚的なものですけど、温かい音になるように俺のミックスを施したっていう感じ。いろんな音を作れるけど、実際それしかDOOBEEISでは考えつかなくて。俺らの出す周波数でナチュラル・ハイが手に入ったらすげぇいいし、酒を飲んでる時とかそういう快楽的な時に聴くと、さらにハイになれるっていうものを狙っていましたね」

GOUKI「〈これがDOOBEEISのサウンドだ!〉っていう自分たちなりの音を完成させたいっていう気持ちがすごいあったし、今回はばっちりそういうものが作れたと思います」

——温かくて、真っ黒で、煙たくて……という〈DOOBEEISサウンド〉で染まった今回のアルバムを聴かせていただくと、その背景にあるのはあきらかにヒップホップだけではないと感じましたが、そこに関してはいかがですか?

GOUKI「音楽が好きな人は俺の周りにもいっぱいいるんで、そういった人からの影響もやっぱり大きいですけど、自分たちにもしっかりとしたルーツ・ミュージックがあって。それはもちろん90年代のヒップホップに表れてるような音だったりするんですけど、俺とHIDENKAで共通してるのは、雑食で、すごくいろんな音楽を聴くところ。自分たちの作品にもそれを反映させたいっていう気持ちが根本にありましたね」

——そういった自分たちの音楽的バックグラウンドを積極的に表現として出していく姿勢は、今作の曲順にも表われていると感じました。いわゆるヒップホップらしさのある1曲目から、どんどん深くなっていって……〈音の旅行〉というか、お二人の基礎となっている音楽からいろんな音楽へと広がりを持たせたいという意識がそこには働いてるのかなって。

HIDENKA「入り口はかなりそういう意識で作りましたね。そこから聴いてる人をどんどん深みに引っ張って行けたらいいなって。最初から〈深み〉だと、〈なんだかよくわからない!〉って言われそうだし(笑)」

GOUKI「〈トリップ〉っていうのは俺らのコンセプトとしてもあったんですよ。さっきの話にも繋がるんですけど、あたりまえの日常のなかにもトリップは全然あると思ってて。そういう〈音の旅〉をしてるような感覚を味わってもらえたのは、すごく嬉しいですね」

 

カテゴリ : ニューフェイズ

掲載: 2010年12月22日 18:00

インタヴュー・文/吉橋和宏

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