NICO Touches the Walls “Diver”「NICO Touches the Walls TOUR 2010 ミチナキミチ」
[ interview ]
ライヴに明けてライヴに暮れた2010年は、NICO Touches the Wallsを飛躍的に成長させた。武道館、ライヴハウス、フェス、ホール、学園祭と、あらゆる場所で挑戦と実験を繰り返し、手にした実感を次のライヴと作品作りに注ぎ込むというやり方で、バンドの持つエネルギーはいまや爆発寸前のMAX状態に高まっている。2011年の最初のシングル“Diver”は、NICO Touches the Wallsの新しいステージの幕開けに相応しい、熱いパッションと切実なメッセージを詰め込んだ強力なロック・チューンに仕上がった。
トライアルな1年
――2010年のNICOはすごくアクティヴに動いてましたね。
光村龍哉(ヴォーカル/ギター)「僕らとしては、シンプルにライヴだけやっていたという感じですね。おかげで2010年のCDリリースはシングル1枚のみという(笑)」
――いちばん大きなヤマは3月の武道館公演だったと思うんですけど、その後もまったく止まらずにライヴを続けましたよね。
光村「武道館が終わって〈そのあとどうしようか?〉という話し合いのなかで、改めてライヴを一生懸命やろうということになったんですよ。武道館までは、こっちはどんどんスケールアップしていくから観に来てくれよ、という活動だったと思うんですけど、今度は〈自分たちから会いに行く〉ライヴをやろうと。インディーズ時代のような、その日のイヴェントのお客さんを何人連れて帰れるか、みたいな感覚を取り戻すというか、自然とそういう方向にバンドが向いていったので。それで武道館が終わって2か月後ぐらいに〈ミチナキミチ〉という、いままでワンマンをやったことのないところばかりを回るツアーをやって、それがけっこう楽しくて、それをきっかけに、今年はライヴをいっぱいやる年にしようということになっていったんですよね。10月には東京のC.C.Lemonホールで初めてのホール・ワンマンをやったり、大阪では野音でやったり、いろんなシチュエーションでライヴをやったということでも、トライアルな1年だった気がします」
対馬祥太郎(ドラムス)「特に〈ミチナキミチ〉ツアーは、新曲を未完成の状態でライヴで披露するという挑戦的なツアーで、ずっとワクワクしっぱなしでした。ドラム・ソロもあったんですけど、毎回何も決めずにその場の雰囲気でやることにしていて、それってけっこう怖いんですよ。でもあえてそこに挑戦したり、自由な部分で勝負していく気持ちがあって、それはインディーズの頃みたいな懐かしい感じもあったし、いまの自分を見つめさせてくれたツアーだったと思います。おかげでそのあとの夏フェスでも、アコースティック・ライヴでも、いろんなことに挑戦することに貪欲になって、その場のイケイケの雰囲気を逃さずにやればうまくいくことがわかったし、ライヴの実感がものすごく見えやすくなった。より音楽が楽しいなと思えるようになった年でしたね」
坂倉心悟(ベース)「前回のツアーから武道館へ、それから〈ミチナキミチ〉へと本当にライヴの数が多かったし、そのなかで成長できた実感がすごくあります。いつも自分たちのライヴをヴィデオに撮って観るんですけど、〈うわ!〉っていう瞬間が増えてきたというか、観ていて楽しいんですね」
――それは例えば、どういうポイントで?
坂倉「本番中は意識してなかったけど、ここはみんなの息がすごく合ってるなとか、そういうところですね。客観的に見ても〈成長したな〉と思えたのは嬉しかったです」
古村大介(ギター)「僕はずっとライヴハウスでやりたいなと思っていたので、〈ミチナキミチ〉ツアーをすごい楽しみにしていて。いざ始まると、僕らを初めて観るお客さんもいっぱいいるし、僕らもそういう感覚は久しぶりで、いい緊張感を感じてました。メンバーのコミュニケーションも、いままでちょっと忘れていたような、いまシンちゃんが言ったみたいな息の合わせ方や演奏のポイントについて、改めて感じたことがあったし。一人一人の意識が高まったと思います」
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