RIP SLYME 『STAR』
1年9ヶ月ぶり、8枚目のオリジナル・アルバムを遂にリリース!
5つの個性が、新たな星となり前人未到の大気圏へ突入した、リップ初のスペクタクル巨編『STAR』遂に登場!
「今出すなら、自分たちの色、その中の強いものを出した方がいいだろうと思ってました」(PES)
―今回は<5人で作る>ということが大きなテーマになっていたそうですね。
RYO-Z 「最初にスタッフも含めてみんなでミーティングをしたんです。
そのときに、ゲストを招いてデコレーションしていくっていうよりは、
まず自分たち5人で面白いと思うことをやっていこうって。
それで星のマークは5つの点になってるし、
最初に『STAR』っていうアルバム・タイトルを決めて作っていったんです」
―そんなアルバムはテクノ風の“The Beat Goes On”から派手に幕開け。
FUMIYA 「最近、(メンバーの)みんなもDJする機会が増えてきて、
わりと4つ打ちもかけるし、PESくんが作った“Clap Your Hands”が入るのは分かってたんで、
もう1曲くらい4つ打ちっぽい楽曲があってもいいかなって。
それに、SUさんが「4つ打ち、入れたい、入れたい」って泣きじゃくって
手足バタバタさせてたんで(笑)作ってみようかなと」
―その“Clap Your Hands”もキョーレツな曲ですね(笑)
PES 「アレはもともと、僕がDJするときに適当にかけてたトラックだったんです。
だから、それにSUさんにラップを入れてもらってダメだったらダメで自分の趣味として楽しもうと思ってたら、
SUさんのリリックがハンパじゃない破壊力だったので。
「事件は現場で起こってるんだ! っていうことを世に伝えなければ」っていう使命感にかられて(笑)」
SU 「事件だったんだ、あれ?(笑) まあ、4つ打ちの曲だから、あとでPESがいろいろ
切ったり貼ったりすると思って、とりあえずいろいろな言葉を並べてたんですよ。
そしたらそのまま飯になった(苦笑)」
ILMARI 「<素材のオイシサをそのままに>ってことだよ」
PES 「だから慌ててFUMIYAが“Beat Goes On”で音楽的フォローですよね。
でも、マジで俺、家でずっと聴いてたからね。すげえな、このラップって」
RYO-Z 「俺も車の中で聴いて爆笑でした。「なんだ、これ?」と思って(笑)」
―ところで、本作で最初に制作に取りかかった曲は?
RYO-Z 「“TOKYO STOMP”ですね」
ILMARI 「最初、FUMIYAのデモを聴いたとき、JAY-Zが合いそうなトラックだなって思いました」
FUMIYA 「これは<ヒップホップ!>っていうイメージで作りましたから。
<アメリカ!>って感じ。それをちょっとナナメに見た感じっていうか」
―じゃあ、本作の核になってる曲は“TOKYO STOMP”?
RYO-Z 「いや、核になってる曲は“センス・オブ・ワンダー”で、それは最後に出来ました」
SU 「核がないまま、やってた(笑)」
RYO-Z 「で、最後の最後に“センス・オブ・ワンダー”のトラックがFUMIYAから来て
<キタ!>みたいな。「こいつや! この波乗るぞ」みたいな」
―歌詞はどんなことに気をつけて書いたんですか?
“センス・オブ・ワンダー”って「自然の神秘や不思議さに素直に目を見張る感性」のことですよね。
ILMARI 「そう。で、歌詞ではそれをあまり説明的にしないようにしようと」
PES 「最初は日常生活の目線でバーッと進んでいって、
最後にぶわーっとカメラが引いて俯瞰する、みたいな書き方ができたらいいなって、
みんなで話していたんです」
―だから、最後のSUさんのパートは「月のウラに隠れたウサギ」とか、
ファンタジックな言葉が出てきて終わると。
SU 「最初から終わり方は決まってたんです。100年後の人々も
不思議だなって思うのかなぁ? 見たいに終われたらいいねって」
ILMARI 「でも、この曲の不思議な感覚は、本当にありそうでなかった感じだと思う。
音もミックス含めて、最近の自分たちの曲のなかではすごく良いなって思いますね」
―他にも初の赤ちゃんソング“BABY”や、90年代ヒップホップ調の“Don't Panic”、
オトナ味のラヴ・ソング“Under The Skin”など、聴きどころが満載ですが、
今回はリップスライムがこれまでに聴かせてきた曲調やサウンドの特徴的な部分が
取り揃えられているなと思ったんです。去年、『GOOD TIMES』、『BAD TIMES』という
2枚のベスト盤を出したことが、今回の制作に影響を与えてますか?
RYO-Z 「作ってるときにはそんな意識はなかったと思います。
ただ、言われてみれば、(ベスト盤を出して)一周して戻ってきたような感覚はあるかもしれない」
PES 「今出すなら、自分たちにできることをやった方がいいなっていう風には
個人的には思ってましたね。自分たちの色、その中の強いものを出した方がいいだろうと」
―FUMIYAさんはこれまで、毎作、サウンド・テーマを決めてましたよね。
ざっくりいうとアルバム2枚単位くらいでサウンドの傾向を変えてきていた。
FUMIYA 「そうですね。でも、今回はテーマを決めないっていうことに決めたんです(笑)。
「よし、今回はロックだ」とか「ボッサだ」とかって言う考え方は全然なくて
「これも入れちゃお!」とか「これも合うでしょ」とか。
4つ打ちもやりたいし、こういのもやりたいし、もう作りたいの作ろうって」
―そのぶん、今回のアルバムはリップスライム初心者はもちろん、
ファン度が濃ければ濃いほど楽しめるアルバムだと思うんです。
FUMIYA 「ですよね。<こういうの聴きたかった!>って言う人はたぶんいると思いますね」
■NEW ALBUM『STAR』……now on sale!
SONG LIST
01.The Beat Goes On
02.Don't Panic
03.Pop Up なう
04.センス・オブ・ワンダー
05.フォーチュン・クッキー
06.RIDE ON
07.TOKYO STOMP
08.甘い生活~La dolce vita~
09.Clap Your Hands
10.○×△□
11.Under The Skin
12.Simply
13.BABY
■LIVE…
RIP SLYME “STAR” TOUR 2011
4/01(金) 川口リリア メインホール
4/07(木) 千葉県文化会館
4/09(土) 茨城県民文化センター
4/10(日) 宇都宮市文化会館
4/15(金) 神奈川県民ホール
4/17(日) 静岡市民文化会館
4/21(木) 神戸国際会館 こくさいホール
4/22(金) 滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール
4/24(日) なら100年会館
5/13(金) 鹿児島市民文化ホール
5/15(日) 長崎ブリックホール
5/19(木) 倉敷市民会館
5/21(土) アルファあなぶきホール(香川県県民ホール)
※詳細はHPにて
■PROFILE…RIP SLYME(リップスライム)
01年にメジャー・デビュー以来、4MC+1DJの構成から産み出される
独自のグルーヴ感とリリックでファン層を拡大し続けている。
昨年リリースした2枚のベスト・アルバムに続く、待望のオリジナル・アルバムを遂にドロップ!
記事内容:TOWER 2011/3/05号より掲載