インタビュー

andymoriに繋がる人と音楽と熱狂――(2)

 

吉田拓郎 『拓郎ヒストリー』 フォーライフ

こちらも小山田のルーツと言える、両親がよく聴いていたという70年代の日本のフォーク。その影響はサウンドやメロディーだけに留まらず、特にリリックが内包しているプロテスト・ソング的な側面において、非常に強く感じられるのである。*金子

THE BLUE HEARTS 『THE BLUE HEARTS』 メルダック(1987)

パンク的な側面でのルーツであり、おそらくはメッセージ性という部分においても彼らからの影響は大きいはず。デビュー時には、ゴルバチョフという日本のパンク・バンドからの影響も公言するなど、アナーキーとも言うべき自由な精神性は彼らの核のひとつと言えるだろう。*金子

THE JAM 『In The City』 Polydor(1977)

当初からリバティーンズを引き合いに出されることが多いandymoriだが、3人組という共通点もあってか、ジャムと比較する人がいるというのも納得。飛び跳ねながらギターを掻き鳴らす小山田の熱っぽいステージングも、ポール・ウェラーを彷彿とさせる。*金子

THE LIBERTINES 『Up The Bracket』 Rough Trade(2002)

何かわからないけど、何かを変えてくれるんじゃないか——そんなそこはかとないワクワクをもたらしてくれたリバ。andymoriとはそのつんのめり気味なリフの感じやギターの鳴りといった音楽的な共通項も感じられたけど、いちばんフラッシュバックしたのは〈革命〉よろしく、そういった胸躍る感覚だった。*加藤

Predawn 『手の中の鳥』 Pokhara(2010)

『andymori』収録の“青い空”にコーラスで参加し、透明感のある美しい歌声を聴かせている。英語で歌う洋楽的なスタイルが持ち味の彼女だけに、フォークやカントリーに対する愛情では通じる部分も多く、実際に小山田とはアコースティックで共演するなど繋がりは深い。*金子

長澤知之 『JUNKLIFE』 ATSUGUA(2011)

小山田とは同い年で出身地も同じという、盟友とも言うべき間柄のシンガー・ソングライター。“1984”は小山田が長澤の家に行った時に作った曲で、当初〈ファンファーレの熱狂〉と歌われていたものを、長澤の提案により〈ファンファーレと熱狂〉に変えたというエピソードも。*金子

 

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2011年06月07日 15:15

更新: 2011年06月07日 16:00

ソース: bounce 332号 (2011年5月25日発行)

ディスクガイド/加藤直子、金子厚武

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