インタビュー

w-inds. 〈w-inds. 10th Anniversary Best Album〉

 

ダンス、そして歌。ズバ抜けた2つのチャームを2種のベスト・アルバムに刻んだ屈強のトライアングル、w-inds.。ポップでテイスティーな10年のキャリアを経てもなお、彼らのチャレンジはまだまだエンドレスだ!

 

 

気がつけば……かも知れないが、10代半ばで華々しくデビューし、質の高いエンターテイメント性を維持しながら第一線を歩んできたw-inds.の10年は、それはもう眩しすぎるキャリアだと言える。〈We dance for everyone〉〈We sing for you〉という2つのテイストが用意されたベスト・アルバム〈w-inds. 10th Anniversary Best Album〉に収められている(橘慶太いわく)色褪せない楽曲を聴いてみれば、セカンド・シングル“Feel The Fate”以降28枚のシングルをTOP10入りさせていることやアジア各国で数万人規模のライヴを成功させているなど数字的なトピックを持ち出すまでもなく、彼らが吹かせ続けてきたホットな風を改めて感じることができるはずだ。

 

──デビューしたのが10代半ばで、それもかなり華々しいデビューで、それだけにファンを魅了し続けていくのは難しいことだったと思うし、ティーン・グループという殻を脱いでいくことも大変だったと思います。

緒方龍一「悩んでた時期もありましたけど、先輩方だったり周りの人たちからアドヴァイスをもらったり、そういうちょっとしたことで自分の決心がついたことは多かったですね。あと、メンバーの努力だったり尊敬できる部分っていうのを見て、自分も変わらなくちゃいけないんだなとか。本当に些細なきっかけが自分を変えていったと思うし、小さな変化の積み重ねで日々成長してこれたかなと思うし、これからもそういう気持ちは変わらないと思います。同じ事務所には〈歌って踊る〉っていうパフォーマンスをする先輩(安室奈美恵、SPEED、ISSA、三浦大知ら)がたくさんいますんで、そういう姿を間近で見られるのも刺激になります」

橘慶太「やっぱり、絶えず変わろうとしていたことがいちばん大きかったと思いますね。自分たちのスタイルを最初から最後まで貫き通そうっていうよりは、時代の流れに乗って進んでいこうっていう意識のほうが強かったんで、そういうところが良かったんだと思います。言ってしまえば、シングル出すたびに転機だったと思うし、1年の間にどんどん変わっていってる部分はありますね。自分たちのパフォーマンス然り、音楽性然り、人間性然り、モノの進化ってすごく早いものだと思うんで、その都度どの都度変化していきたいと思っているし、みんなに捕まりたくないというか、ずっと追いかけてきてほしい気分が常にあるんです」

──シングルをコンスタントにTOP10入りさせているっていうところが(もちろん、No.1の曲もあります!)、ある意味全部1位っていうことよりもすごいなって思うんです。

千葉涼平「もちろん全部1位になることもうれしいことですが、順位ばかり気にするのももったいないような気がするんですね。そこにばっかり執着するのではなくて、ある種気楽にっていうか、もうちょっと柔らかい考えで、聴いてくれる人がひとりでも多くいればいいっていう考えでいいのかなって。誰かの人生の一瞬を共有できているっていうことを想像するだけですごく幸せですから」

──ところで、この10年でメンバーの関係性に変化があったりしました?

慶太「うーん……(横を見ながら)ちょっと嫌いになったぐらいですかね(笑)」

龍一「気がつかなかった……(笑)」

涼平「(笑)。基本的にはまったく変わらないですよ。昔の同級生に会うとあのころに戻るじゃないけど、いっしょに生活してたときの楽しい感じはいまだに続いてますね」

慶太「仕事の打ち合わせっていう名目以外、移動中とかプライヴェートの時も仕事の話は一切しないですからね」

──変化といえば、ここ3年ぐらいがとくに顕著ですよね。“CAN'T GET BACK”(2008年)のようなアーバン・チューンをシングルとしてリリースしたことも驚きだったんですが、その後のG-DRAGON(BIGBANG)をフィーチャーした“Rain Is Fallin'”やニーヨが書いた“Truth~最後の真実~”……そのへんを収めたアルバム『Another World』が、そういったシングル曲ばかりが目立たないぐらいハイクォリティーなアルバムで。

慶太「すごくダンス・ナンバーに力を入れて、とにかくライヴで歌って踊ってカッコイイ作品をっていうのに徹底してましたからね」

──いま、韓国のグループが大変な人気ですけど、アジア各国でも活躍しているw-inds.にその盛り上がりが及ぼしているものってあります?

龍一「僕らも大好きで聴いてますし、日本にはないものを感じますよね。そういったエンターテイメントを現地で観る機会が何度もあったし、僕らもすごく楽しんでますよ」

慶太「仲良くさせてもらってるグループもいて、お互い刺激し合ってますね。日本では僕らと同じようなことをしてる人があまりいないので、数少ないなかで刺激し合ってるんですけど、韓国だといろんなグループがいるし、僕らもそれを見て〈イイな〉って思うし、向こうもw-inds.のことをイイって言ってくれたりするし……めざしている方向がいっしょだったりするから、刺激し合える仲間でもありライヴァルでもありって感じですよね」

──ベスト・アルバムには新曲も数曲入っていますが、今後のw-inds.、ひいてはこれから先の10年についてどんなヴィジョンを持っているか聞かせてください。

慶太「10年続けてきてもまだまだだと思うところはあるんで、危機感を感じながら成長していかなきゃなと思ってます」

涼平「この2、3年で、また勝負どころが来るんじゃないかな」

龍一「10年後になると35歳だからね」

涼平「それ考えると落ちるなあ(笑)」

龍一「周りを見ても自分たちを見ても、続けるということがどれだけ大切なことで大変なことなのかというのを感じてるんで、ホントにこの先10年もw-inds.が続いていけばいいなあって思いますね」

涼平「10年前に思ってた〈10年後〉って、もっとこうなってたとか、こうなっててほしいっていう理想があったし、予想してなかった素晴らしいこともいっぱいあった反面、そうじゃなかったところもあったりして。だから、10年後を想像するよりは、とにかく目の前の目標をクリアしながらステップアップしていきたいですね」

龍一「慶太も言ったけど、w-inds.は常に進化してると思うし、それは作品もそうで、2人を見てもそう思えるんです。作品ごとに勉強することがあって、次の作品ではこうしたいなっていう意欲みたいなものが得られるので、次の作品はいつも楽しみというか」

慶太「新曲でも新しいチャレンジはしてるんで、次の作品でまた違うチャレンジをしたいなと。変化をし続けていまのw-inds.があるので、今後も変化を恐れずに、むしろ変化を楽しみながら、自分たちも次のw-inds.を期待したいですね!」

 

▼関連盤を紹介。

w-inds.の2010年作『Another World』(ポニーキャニオン)

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掲載: 2011年06月22日 17:59

更新: 2011年06月29日 18:05

ソース: bounce 333号 (2011年6月25日発行)

インタヴュー・文/久保田泰平

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