インタビュー

LONG REVIEW——bómi 『Gyao! Gyappy!! Gyapping!!!』

 

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オープニングの“KANZEN Wo Ai Nii!!”を聴いたときは、ストレートに〈エレクトロ・ポップの新星現る!〉という印象を受けたが、2曲目以降は、わりとギター・ロックのテイストも強い楽曲が並んでいる。そんなbomiのタワーレコード限定ミニ・アルバム『Gyao! Gyappy!! Gyapping!!!』。聞けばCSSが好きということらしく、なるほど本作はエレクトロ・ポップとの関連で語られたCSSのファースト・アルバム『Cansei De Ser Sexy』から彼女たちのルーツであるギター・ロックへと回帰した2作目『Donkey』との、ちょうど中間に位置するような作品だと言っていいかもしれない。そのなかに、USのインディー・シーンあたりからの影響であろうサイケ感も紛れ込んでいる。

オーストラリアやニュージーランド(最近だと、今年の〈フジロック〉にも出演するネイキッド・アンド・フェイマスとか)にしろ、アジアにしろ、近頃は特に欧米以外からも個性的なエレクトロ・ポップ・アクトがたくさん生まれているが、〈アメリカ生まれ、大阪育ちのK系ガール〉であるbómiは、そんなボーダレスな現在の状況に、さまざまな意味でシンクロしているシンガーだと言えよう。

ただ今回の作品に関しては、そのハイテンションなタイトルと比較してちょっと大人しいように感じられたというのが個人的な感想。どの曲も聴かせるサビのある構成になっているのだが、もっともっと破綻してしまってもいいのではないかと思う。bómiとしての活動が今年の春に始動したばかりということを考えると、その個性が確立されるのはこれからなのだろうが、〈メインストリームのJ-Popのシーンでも機能する〉といったことはあまり意識せず、自由に伸び伸びと、その才能を開花させていってほしい。

 

カテゴリ : .com FLASH!

掲載: 2011年07月06日 17:59

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