タイラー・ザ・クリエイター〜OFWGKTAをとりまく雰囲気ディスク
TORO Y MOI 『Causers Of This』 Carpark(2010)
今年新作も発表したチルウェイヴの代表アクト。タイラーが最近のフェイヴァリットと公言するのもわかる音像だが、彼自身が好きな曲を集めたメロウ系ミックステープ『Summer Camp Mix』にも2曲が選ばれていた。
EMINEM 『The Slim Shady LP』 Aftermath/Interscope(1999)
暴言を吐きまくるタイラーさえも認めるラッパー。実際、サイコで薄気味の悪いタイラーの禍々しいキャラ立ては、彼やイーシャムを想起させる部分が多い。エミネムも気に入ってるそうだし、そのうち共演もありそう。
THE PACK 『Wolfpack Party』 SMC(2010)
タイラーのスタンスに直接的な影響を与えているのは、問題作を連発中のリルBだろうが……入手が容易な正規流通CDはないので、彼もメンバーに名を連ねるユニットの最新作をご紹介。伝統から切り離された若々しい文化部ノリをベイにもたらすのも彼らは早かった。
CLAMS CASINO 『Rainforest』 Tri Angle(2011)
左で触れたリルBの“I'm God”で知られるニュージャージーのビートメイカー。配信のインスト集はもう少し偏執アブストラクトな感じだったが、ここでは輪郭のある美しいアヴァン・ホップに仕上がっている。ともあれ、この手の音を採用するラップ・アクトはさらに増えるはず。
VARIOUS ARTISTS 『REVOLVER FLAVOUR』 PLUS VAGUE!/KSR(2011)
タイラーの“Transylvania”を収めたREVOLVER選曲のコンピ。単なるジャンルレス盤(って何?)扱いする人は放っといて、シンセ・ポップやダブステップが時代の匂いを醸し出す流れにタイラーが並ぶのはごく自然だろう。
MADVILLAIN 『Madvillainy』 Stones Throw(2004)
マッドリブとMF・ドゥームの怪人コンビ。彼らの“All Caps”をベタ敷きして曲を発表したのはアールだが、彼とタイラーが組んだアールウルフの作品もこんな感じになる?
WU LYF 『Go Tell Fire To The Mountain』 LYF(2011)
ワールド・ユナイト・ルシファー・ユース・ファウンデーションを略した名称からしてアレな、マンチェのヘヴィー・ポップ集団。ピッチフォークお気に入りの暗いサウンド志向やスケート・カルチャーという背景も通じるところ。
N.E.R.D. 『In Search Of...』 Star Trak/Virgin(2001)
タイラーがもっとも好きなアルバムに挙げる一枚。初期版とバンドで再録した現行版のどっちを指しているのかは不明だが、この初期版はジャケもOFWGKTA感が強め? なお、タイラーはクリプスとのコラボも決定している模様。