インタビュー

LONG REVIEW――SAY 『Virgo』


 

 

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DS455、BIG RONらウェッサイ・アーティストへのフィーチャリングを経て、メジャー・デビューを果たしたシンガー=SAYの2作目。みずからペンを取った楽曲群に、前作でもトータル・プロデュースを務めたICEDOWNやDJ PMX、DJ☆GOらといった制作陣、そしてMACCHO(OZROSAURUS)らの客演と、アルバムの作りは概ね前作を踏襲している。涼しさを絶やさぬ澄んだ歌声は、アルバムを通して耳を優しく撫でる。


イントロと共に伸びやかな高音を届け、その歌いっぷりが弾けた“WE ARE THE ONE”は、アルバムのリードともなる曲。ゆったりとしたトラックを汲み取り、落ち着いた調子でラッパーとしての骨格をうかがわせるAK-69の客演も、ここで聴くことができる。ICEDOWN製の“Without You”は、コーラスワークでの押し引きで歌い手として持つ表情をふくよかに切り取り、その魅力を瑞々しく伝えている。


“Hava G Day!!”のようなポップな曲調にも無理がないところを見せつつ、DJ PMXによる“You & Me”でBIG RON、大地と共に見せるシンプルなトラックへの映えの良さは、アコギもバックにした“Tears On Earthでも然り。全体を通して歌ってきた〈You&Me〉を大きな世界にまで広げて〈We can change the world〉と歌い上げており、アルバムの締めにも相応しい。


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掲載: 2011年10月05日 18:01

更新: 2011年10月05日 18:01

文/一ノ木裕之