インタビュー

Jazzin'park 『Take Ship ~five years self cover best~』





[ interview ]

クラブ・ミュージックをベースにしつつ、ポップで親しみやすい楽曲を生み出し続けてきたデュオ、Jazzin'park。結成5周年記念となるセルフ・カヴァー・ベスト・アルバム『Take Ship ~five years self cover best~』は、そんな彼らのポップセンスがこれまで以上にストレートに刻み込まれた作品であり、全曲で2人がヴォーカルを披露している。プロデューサー・ユニットからアーティストへと、活動スタンスを移行しつつある2人に話を訊いた。



自身の個性をより前に出そうと



――今回の新作は結成5周年記念ということなので、Jazzin'parkがどのように始まったのか、そのきっかけから訊かせてください。


栗原暁「共通の知り合いのプロデューサーがいまして、お互いその人にデモを持って行ってたんです」。


久保田真悟「その人に〈この2人、合うんじゃないの?〉って紹介してもらって、いっしょにやることになりましたね、自然な流れで」


――お2人とも、当初からクラブ・ミュージック志向だったんでしょうか。


栗原「僕はそういう志向が強かったですね。最初はバンドをやってたんですけど、自分で曲を作るようになったのは打ち込みを始めてからで、その時はもうクラブものにどっぷりのめり込んでました」


久保田「僕の場合は、親父がベーシストだったので、家にあったベースやアコギを教えてもらって弾きはじめたのが出発点ですね。高校の時に始めたバンドがメジャー・デビューまでとんとん拍子で進んでいったんですけど、方向性の違いなんかもあって僕は脱退してしまったんです。一人になって、機材を買って打ち込みを勉強しはじめました。それが23歳くらい、10年くらい前ですね」。


――打ち込みをやっていくなかでクラブ・ミュージックの方向に向かっていった?


久保田「DJの友達が多かったんですよ。R&Bとかヒップホップが大流行していた時期でもあったし、〈こんな格好良い音楽があるのか〉と、徐々にそっちに向かいました」


――ファースト・アルバム『Jazzin’ park』はジャジー・ヒップホップの要素も結構強いですもんね。


久保田「そうですね。当時はアンダーグラウンドなヒップホップがすごく好きだったんです」


――クラブ・ミュージックをベースにしたプロデューサー・ユニットでありながら、お2人ともヴォーカル・パートも受け持ってますよね。そこがJazzin'parkの特色だと思います。


栗原「もともとは、基本的に他の方に歌ってもらおうと考えていたんですよ。ソウルフルな曲だったら、パワフルなシンガーにお願いしたいですし。だから最初のアルバムではほとんど歌ってないんですけど、2枚目、3枚目とリリースを重ねるにつれて、自分たちで歌う比重がだんだん大きくなっていったんですよね。〈歌っちゃっていいんじゃない?〉と(笑)」


――でも、ヴォーカルって誰でもできるものではないですよね。そこはやってみたら歌えちゃった、くらいの感覚ですか?


栗原「デモの段階では、コーラスを含めてすべてのヴォーカルを自分たちで入れてたんですよね。だから歌うことに違和感はなかったんです」


久保田「そのデモの時点でも良いなあとは思ってたんです。〈歌ってみれば?〉という周りの声も多かったですし、他にない個性が出るかなと」


――やっぱり、アーティスト自身が歌ってるほうがわかりやすいですよね。


久保田「Jazzin'parkはプロデューサー・ユニットみたいなところから始まったんですけど、徐々にアーティストとして出ていきたいという意識が出てきたんだと思います」


――活動していくなかで、自分たちの新たな側面を発見していったところがあるんでしょうか。


栗原「自分たちの作る音とか歌が受け入れてもらえるんだってことがわかってきて、やっぱり自信になったんですね。だったら、もっと自分たちの個性を前に出そうという気持ちに辿り着いたんでしょうね」



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掲載: 2011年12月07日 17:59

更新: 2011年12月07日 17:59

インタヴュー・文/澤田大輔