インタビュー

LONG REVIEW――Jazzin'park 『Take Ship ~five years self cover best~』



多彩な活動によって新たに見えた景色



Jazzin'park_J170

栗原暁と久保田真悟によるユニット、Jazzin'park。2006年のファースト・アルバム『Jazzin' park』を皮切りに、これまでオリジナル・アルバム3枚とカヴァー・アルバム1枚を発表してきた彼らによるセルフ・カヴァー集が本作だ。それぞれがDJもこなし、クラブ・ミュージックを出発点に良質なポップスを編んできた彼らは、CM音楽やカフェのBGMといった匿名性の高い分野から、大所帯のバンドや少人数のアコースティック編成など、さまざまなスタイルのライヴ・パフォーマンスでもそのセンスを光らせてきたわけだが、デビューから5年、そういった多彩な活動によって新たに見えてきた景色が、ここに収められた楽曲群には顕著に映し出されている。

ストリングスによってハートフルさを増した“Traveller”、よりエモーショナルなヴォーカルを聴かせる“Lonely”、菱山正太(urb)のジャジーなピアノをフィーチャーしたクロスオーヴァー・チューン“Long Time Ago”、同じく菱山が参加したメロウなR&B“Summer Love”、バラード・アレンジがことのほか映える“キミスム街へ”といったブランニューなセルフ・カヴァー曲のほかに、キュートなベビーフェイス・シンガー、 Yun*chiをフィーチャーしたドリーム・ポップ“ユメノトビラ”、ロック・アプローチの“CLOUD”“Start Again”といった、彼らの次なる可能性を示したニュー・ソングも収録。これまで以上に幅広いJ-Popリスナーに訴求しそうな、そんなキャッチーさも窺えるアルバムだ。



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掲載: 2011年12月07日 17:59

更新: 2011年12月07日 17:59

文/久保田泰平