INTERVIEW(2)――アイドルとして崖っぷちなので
アイドルとして崖っぷちなので
――ホントにどんどん曲が変わっていくんですね。
Megu「そうなんですよ。ファンの方の意見とか、自分たちの意見も採り入れて、だんだん曲もパフォーマンスも変わっていって」
――そして、曲が完成したときは〈なんでまたねぎの歌なんだ……〉ってボヤいてた“ねぎねぎROCK ~私もお家に連れてって~”が、また新たな武器になっていくっていう。
Megu「そうなんですよ、ホントに。私も嫌で嫌でしょうがなかったんですけど(笑)。でも、あれがきっかけで正直な話、お仕事もすごい増えたし。メディアの方も、やっぱりNegiccoといったら“ねぎねぎROCK”っていうイメージが強くあって」
――なんでNegiccoっていうグループ名なのかっていうときに、ねぎの歌があったほうがインパクトは強いわけですからね。
Megu「そうなんですよ。だから、メディア向けの曲といったら“ねぎねぎROCK”なんですけど、そこからいいなと思って、ほかのもっといい曲を聴いてもらうきっかけになるんじゃないかなって思うんで」
――意外とムダがないんですよね。紆余曲折で遠回りしてるように見えて、それもちゃんとプラスになってるっていう。そして10年には“ねぎねぎROCK”によって、〈U.M.U AWARD〉という地方アイドル決定戦(*)で優勝して。正直、あの大会の話を最初に聞いたときは罠だと思いましたからね。ホリプロ主催で、ホリプロの人が東京代表で出てるじゃんっていう。
*2010年12月開催。東京代表は元アイドリング!!!1期生の2人組・ミラマリア
Megu「フフフフフ。確かにそれは思いましたね(笑)。でも、マネージャーから〈いつも通りやればいいんだよ〉って言われたのがきっかけで吹っ切れました」
――キャリア、実力とも、普通にやれば勝てるはずなんですけど、かなり不安があったんですよ。
Megu「それでも優勝させていただいて。このときも副賞とかあったんですけど」
――MXテレビがバックアップするとか、PVを作ってくれるとかですよね。
Megu「そうだったんですけど……ちょっと納得いくものじゃなかったんで(笑)」
――ただ、地方アイドル決定戦で優勝したのって肩書としては大きかったですよね。
Megu「そうですね。全国ナンバーワンという称号をいただいて。新潟県でもNegiccoの存在を知らなかった人が意外といるんですよ。新潟だとTeam ECOのCMをやっていた、あのイメージのままみなさんきてるので、〈Negiccoがナンバーワン!〉って新聞にドンと出て、いろんなイヴェントに出していただいて、〈え、Negiccoってこんなすごいんだ!〉って思ってくれる人たちがすごく増えたんです」
――ボクらがやった新潟のイヴェントに飛び入りで出てもらったときも、「初めて観たけどすごいよかった」って言ってる地元の人が結構いて。
Megu「いっぱいいましたね。ナンバーワンになったとき、名前は知っててもパフォーマンスは観たことないっていう人がNegiccoを知ってくれて、好きになってくれてっていうのがすごい増えたので。やっぱり優勝したっていうことは私たちにとってものすごく大きいですね」
――しかし、結果は出すけど副賞には恵まれないですよね(笑)。
Megu「ハハハハハ! 第2回大会(*)は副賞が旅行券らしいんですよ。旅行券欲しいな、みたいな(笑)」
*2011年12月に〈ご当地アイドルNo.1決定戦 U.M.U AWARD 2011 ~地域活性アイドル大図鑑~〉として開催。優勝は広島のまなみのりさ。Negiccoもゲスト出演した
――MXテレビの番組出演って、落語家の方が東京をめぐる番組(*)に無言で同行しただけでしたもんね。
*2011年1月の「東京スカイ座 一朝一席」に出演。三遊亭王楽いわく「こいつは春から縁起がいいカモ」
Megu「それも1回きりですよ。レギュラーって言われてたんで、どうなるのかと思ったら1回で終了してしまって。まあ、それもNegiccoですよね(苦笑)。それもドラマがあっておもしろいんじゃないかなって」
――恵まれないなかでがんばってるのを見て、みんな応援したくなるわけですからね。
Megu「でも、去年の7月にT-Paletteさんの第2弾アーティストに選んでいただいてからは、いままで経験したことないことばっかり続いていて」
――ようやく追い風が吹いてきましたよね。渋谷のタワレコでT-Paletteの発足会見&ミニライヴがあったじゃないですか。あの控室で『さんまのSUPERからくりテレビ』の予選突破が知らされたりで、ホントあそこからいい流れが来はじめた感じで。
Megu「その瞬間は豪さんも見てましたよね」
――ボクが司会で、会見前に対談もしてたから同じ控室にいたら、予選突破を知らされた3人が抱き合って泣いてて。
Megu「はい、嬉しくて嬉しくて。ちょうど、私たちの活動には波があるって話をしたばかりのときに、T-Paletteさん、さんまさんって連続で来て。そういう流れだったので、すごい嬉しかったです」
――〈大きな波には乗れるんだけど、その波がいつもなくなる〉って話をしてたんですよね。その会見の後、会場で軽い打ち上げになったとき、「お酒は飲めないけど、お祝いだから今日は飲もうか」って言って、みんなでビールをちょっとだけ紙コップに注いで飲んだら、「なんかニガニガする」って言ったときの、酒豪のバニラビーンズとの落差がいいなと思って(笑)。
Megu「ホント、ビール飲めないんですよ」
――そういう田舎の純朴な子感を見せられると、なんだか応援しなきゃいけない気にさせられちゃうんですけど、Negiccoの力ってそこだと思うんですよ。タワレコの嶺脇社長もそうですけど、関わった大人たちに〈自分も何かしなきゃ〉って思わせるものがあるんですよね。
Megu「嬉しいです、ホントに(笑)。正直、年齢的な部分でもアイドルとして崖っぷちの状態なので。そういうところも見て、みなさんが応援してくれてるのがすごく嬉しいです」
――年齢の崖っぷち感はあんまり感じないんですよね。
Megu「……ホントですか?」
――たぶん精神年齢が若いからだと思うんですけど。
Megu「ああ……田舎くさいってことですか?」
――いい意味で洗練されてないってことです!