INTERVIEW(4)――言い返さないと気が済まなくて
言い返さないと気が済まなくて
――で、またローカルアイドルブームがすぐに過ぎたじゃないですか。
Nao☆「はい、過ぎました(笑)」
――それも不安ですよね。
Nao☆「もう不安だらけで。だから何回か辞めようと思って事務所に電話して、〈マネージャーに替わってください、私辞めるから!〉って言ったら、〈マネージャーがいないから、私に言わないでちゃんとマネージャーに話してから辞めてくれ〉って言われて。〈辞めます!〉ってスパッとカッコよく辞めるつもりだったのに」
――そうやって迷っていたせいか、普通の歌のオーディションも受けてるんですよね。
Nao☆「そうなんですよ。avexのオーディションを受けて、最終の手前まで行って落ちちゃって。そうやって、大きい事務所に入れれば売れるって思ってたんですよ。だけどオーディションを受けていくにつれて、内部事情とかいろんなことが見えてきて。大きな事務所に入ったからといって売れるってことはないんだっていうのがわかっちゃって」
――大きな事務所で大々的に売り出しても、確実に売れるわけじゃないですからね。宣伝力だけでなんとかなるもんじゃないっていう。
Nao☆「そうなんですよね。それがわかっちゃったので、それからは自分のやりたい道はあるんですけど、Negicco一本で」
――そのときは揺らいだけれど。
Nao☆「揺らぎましたね。引き止められるものが何もなかったので」
――Negiccoに先も見えない頃だし。まだ4人組時代の話ですよね?
Nao☆「4人組だったと思います。AAAが流行りだしたぐらいですね、高校生のときです」
――さらにはメンバー脱退で不安になっただろうし。
Nao☆「はい、すごい仲よくて、子供ミュージカルとかでもずっといっしょにいたので。しかもいちばん歌がうまくて、MikuちゃんがいるからNegiccoの歌が成り立ってたのに、いなくなっちゃったらどうすればいいのって。それからはホントに、歌の先生も誰もいなかったので、猛特訓で。毎週カラオケ行って、自分の歌を友達に聴いてもらったり」
――そういう特訓だったんですね(笑)。
Nao☆「はい。マイクを使って、自分の歌を録音して、その歌を聴くっていう。手探り状態で、歌がうまくならなきゃって。そのとき初めて無我夢中で歌を練習したなっていう感じです」
――ホント、歌もダンスも自主練なんですね。
Nao☆「そうなんです(笑)。ちゃんとしたダンスの先生、歌の先生がついてるわけじゃなくて、いまでも歌の先生がついてない状態なので。ホントにこのままでいいのか、自分たちがやってることはホントに正しいのか、うまいのかヘタなのか全然わからない状態なので」
――Nao☆さんが、いちばん歌えてますよ。
Nao☆「ホントですか? だからいまでも歌の先生がちゃんとついたらいいなって思ったりします」
――先の見えない不安な活動の中で、何か希望はあったんですか?
Nao☆「やっぱりロコドルっていうところから、『ヌキ天』のオーディションの依頼が来たときに、私は番組のことをなんにも知らなったけど、せっかくオファーも来たし受けてみよっか、みたいな軽い気持ちで」
――Kaedeさんは、受からなかったら辞めるつもりだったみたいですよね。
Nao☆「あ、私もそれは思ってました。きっとこのオーディションに受からなかったら、Negiccoは解散しちゃうんだろうなって……」
――それぐらい切羽詰まった状況というか、まさにラストチャンスで。
Nao☆「はい」
――でも、1回は4週目に落とされるわけじゃないですか。
Nao☆「はい、落ちました」
――よくあそこで審査員に立ち向かいましたよね?
Nao☆「なんか、どうしようどうしようって思ってはいたんですけど。言い返さないと気が済まないし。それが私の頑固なところです」
――唯一〈残念〉のフリップを出した審査員が、「受からせても、どうプロデュースしていいのかわからない」って言ったときに、一気に反論したわけじゃないですか。「私たちは全部自分たちでやってました!」みたいな。
Nao☆「はい。言い返さないで、このまま終わったらずっと後悔するだろうなと思って……」
――そのまま解散しちゃったら。
Nao☆「はい。だから一か八かでも反論しなきゃって思って、〈でも……〉って言い返したら、みなさんが心優しかったから(笑)」
――それで事態が急転するのがおもしろいですよね。
Nao☆「フフフフフ。その発言がきっかけで、まさかチャンスをいただけるとは思ってなかったです」
――ブラザートムさんの説得で流れが変わって、2回の再チャレンジを経て勝ち抜いて、Negiccoが解散危機を脱したわけですよね。
Nao☆「はい。ちゃーみー♡くいーんさんが受かってて、その映像とかを観てて、衣装も作っていただいたり、カッコいいCD作ってもらえてたり、すごくいいなと思って。自分たちはいつもショボい衣装で」
――みんなで買いに行ったんだなっていうのが伝わる衣装で(笑)。
Nao☆「いままでウチの親がずっと提供してたんですよ」
――そうだったんですか!
Nao☆「ウチの親が新潟では数少ない、ダンスができそうなブランドの衣装を買って提供してたので」
――知らなかった!
Nao☆「それからちょっとずつ事務所から買ってくれたりとかはあったんですけど。でも『ヌキ天』の時は、ツモリチサトとか、ウチの親が提供してた衣装でしたね」
*来週の後編へ続く!